研究課題
抑うつ状態はがん患者の30%と高頻度に認められる精神症状である。抑うつ状態は、精神症状自体ががん患者の療養生活の質(Quality of Life: QOL)を下げるのみならず、食欲不振が引き起こす全身状態の悪化を通して生命予後にも影響する。がん医療において、がん患者の抑うつ状態に適切な治療が提供されていないことが繰り返し指摘されており、早期発見および効果的な治療法の開発が要請されている。うつ病をはじめとする精神疾患の背景に遺伝要因が関わっていることは臨床遺伝学研究より明らかになってきた。がん患者の抑うつ状態に関しても、遺伝子多型に関する検討がなされつつあり、乳がん患者の告知後の抑うつ状態とセロトニントランスポーター遺伝子(5-HTTLPR)との関連やがん組織のEGFR遺伝子プロファイルと精神症状との関連が検討されている。しかし、がん患者の精神症状を網羅したデータベースが世界的にもないことから、ゲノム全般にわたる検討はいまだになされていない。そこでわれわれは、臨床背景因子、生活習慣、精神症状、血液、癌組織を含めたデータベースを用いて、抑うつの背景因子を検討するとともに、生殖細胞変異を検出する目的で全エクソン配列を決定する際に同時に検出される遺伝子多型について、ゲノムDNAとうつ病および癌告知という破局的ストレスへの心理的適応との関連について検討を進めた。あわせて、より背景因子の詳細な検討を目的に、高齢者総合機能評価(CSGA)を用いた包括的アセスメントを用いたデータベースの構築をおこない、社会背景の詳細な状況を記述できるようにした。
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