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2012 年度 実施状況報告書

地域在住高齢者の食行動とそれを取り巻く心理社会的要因の探索に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 24590835
研究種目

基盤研究(C)

研究機関地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)

研究代表者

吉田 祐子  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (30321871)

研究分担者 岩佐 一  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (60435716)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード高齢者 / 食行動 / 心理社会的要因
研究概要

健康寿命の延伸を考える上で、食生活の充実は必須の条件である。高齢者が“何を食べているのか”や“どの栄養素が重要なのか”などについては知見が蓄積されており、食生活改善のための介入が行われている。しかしながら、良好な食生活の長期的な定着は困難であるなどいくつかの課題が残されているうえ、高齢者の食を取り巻く環境の多様化が進み、既存の方策では対応できないケースが見受けられる。
本研究ではこれらをふまえ、現代の高齢者における食のサポートのあり方を模索する目的で、高齢者が“どのように“食生活を送っているのかに着目し、食行動の実態把握および食を取り巻く心理社会的背景および健康アウトカムとの関連について検討する。
初年度は、高齢者の食行動に関する全国アンケートの実施および調査準備を行った。当初の予定では、都市部および過疎地域の二地域での調査を計画していたが、文献レビューなどの結果、調査対象を大都市、中都市、町村とより幅広い地域に変更した。
本調査の実施にあたり、まず既存データを用いて地域に在住する高齢者の食行動に関する予備分析を実施し、本調査で利用する調査項目の選定を行った。次に、小人数を対象に予備調査を実施し、アンケート項目を調整し、本調査の最終的な調査項目を構成した。調査項目は、高齢者の食行動に関する項目を中心に構成した。また、食を取り巻く要因として、社会的要因、精神的健康、心理特性、生活習慣、健康アウトカム、その他基本的な属性等を取り上げた。本調査の実施のため、無作為抽出により全国60~84歳の高齢者を抽出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までの研究の進行状況はおおむね良好であると考えられる。初年度は計画(既存データの分析、予備調査の実施、本調査の実施)に従い進行した。
初年度前半は、本調査の実施のため、既存コホートデータを用いて食行動に関する予備分析を実施した。既存データの分析により、地域に在住する高齢者における食事の準備状況(食料品などの購入や交通の手段など)や個食の状況、食品摂取多様性の状況について把握し本調査項目の選定に供した。
本調査の項目として、高齢者の食行動に関する項目および食を取り巻く要因と考えられる項目で調査項目を構成した。すなわち、高齢者の食行動の項目としては、食事を誰と食べているのか、食事の準備状況(食材の入手法、外食・配食サービスの利用等)、欠食の状況、食欲、食品摂取の多様性、食に関する満足度等について、また、食を取り巻く要因として、近隣の環境、暮らし向き、精神的・心理的特性、ソーシャルネットワーク、一般的な生活習慣(飲酒、喫煙、運動習慣、睡眠等)、健康アウトカムとして生活機能(BADL、IADL)、体格指数、その他基本的属性などを含め構成した。
初年度の後半は、予備分析をもとに構成した調査票を検討する目的で、65歳上の男女小人数を対象とする予備調査を実施した。予備調査の結果をもとに、調査項目、調査票の体裁等の調整を行い、調査票を作成した。本調査の実施にあたり、無作為抽出により全国から60~84歳の高齢者を抽出し、調査の対象とした。

今後の研究の推進方策

本研究では、現代の高齢者が“どのように”食生活を送っているのかに着目し、食行動の実態把握、また、食行動と食を取り巻く心理社会的背景および健康アウトカムとの関連について検討し、現代高齢者の実態に合った食のサポートのあり方を模索することを目的としている。
次年度以降は、本調査により得られたデータのクリーニング作業を進め、分析データセットの作成を行う。また、高齢者の食行動に関する基礎的な集計および食に関連する様々な要因との関連について分析を進める。
予定している分析の内容は、食行動に関する項目については、食事を誰と食べているのか、食事の準備状況(食材の入手法、外食・配食サービスの利用等)、欠食の状況、食欲、食品摂取の多様性、食に関する満足度等である。これらの項目について性別、年齢別、居住形態別、都市規模別など様々な特性別に基礎的な集計を行い、現代の高齢者の食の実態を明らかにする。
次いで、高齢者の食行動と食を取り巻く要因(社会的要因、精神的健康、心理特性、生活習慣、健康アウトカム、その他基本的な属性等)との関連について分析を進め、高齢者の食を規定する要因について詳細に検討する予定である。本研究で得られた分析結果の一部をまとめ、国内外の関連学会で報告を行う。
また、本調査の分析結果をもとに、本調査で不足する点を補う目的で必要に応じ既存コホート等にて小規模調査の実施を検討する。ここでは、項目は諸条件を調整し可能な範囲で構成する。

次年度の研究費の使用計画

次年度は、初年度の調査(委託費)により得られた結果について分析を行うためのパソコンおよびパソコンソフト(統計解析ソフト、Microsoft Office、ウイルスソフト等)・周辺機器類の購入費、データクリーニングおよび調査票整理のための人件費を計画している。調査結果の一部については、関連学会等で報告する予定であり、研究結果の報告にあたり、学会参加のための諸経費(学会参加費、登録費用、旅費、諸経費等)、論文作成にかかる英文校正費、投稿料等を計画している。また、本調査の分析結果をもとに、必要に応じ小規模調査の実施を検討している(委託費、調査旅費、その他)。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Global cognition and eight-year survival among Japanese community-dwelling older adults2013

    • 著者名/発表者名
      Iwasa H et al
    • 雑誌名

      International Journal of Geriatric Psychiatry

      巻: in press ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Personality and Body Mass Index in Elderly People Living in the Community in Japan2012

    • 著者名/発表者名
      Iwasa H et al
    • 雑誌名

      Journal of Aging Research & Clinical Practice

      巻: 1 ページ: 225-229

    • 査読あり
  • [学会発表] Emotional well-being and lifestyle factors among community-dwelling older adults.2012

    • 著者名/発表者名
      Yoshida Y et al
    • 学会等名
      19th International Society for Quality of Life Research
    • 発表場所
      Budapest, Hungary.
    • 年月日
      20121024-20121027
  • [学会発表] Subjective well-being and six-year survival among very old people living in a Japanese community2012

    • 著者名/発表者名
      Iwasa H et al
    • 学会等名
      19th International Society for Quality of Life Research
    • 発表場所
      Budapest, Hungary.
    • 年月日
      20121024-20121027

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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