本研究では健康長寿が終末期老人医療費・介護費用に及ぼす影響を調べた。北海道美唄市において2013年度の65歳以上死亡者のうち、死亡前1年以内に一度でも公的医療保険、介護保険を使用した326人を分析対象とし、死亡前1年間における1人あたり平均累積医療・介護費用を年齢階級別に算出した。死亡年齢80歳未満(n=76)で約445万円、80歳台(n=155)で約409万円、90歳以上(n=95)では約378万円と死亡年齢が高いほど小額であった。女性のみ(n=169)では、80歳未満と90歳以上の間において統計的有意差が認められた。地域高齢者の健康長寿による終末期医療・介護費用抑制の可能性が示唆された。
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