研究課題/領域番号 |
24590837
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
渡邉 至 独立行政法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (40343446)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | コホート研究 / 地域住民 / 繰り返しデータ / 肥満関連指標 / 循環器疾患 / 危険因子 |
研究概要 |
本邦で広く用いられている腹囲など肥満関連指標のエビデンスは十分ではない。そこで、日本で唯一の都市部コホート研究である吹田研究において、腹囲など肥満関連指標の加齢・閉経による自然経過や循環器疾患の危険因子(高血圧、糖尿病、脂質代謝異常など)発症との関連などを検討する。平成24年度は解析用データセットの作成を中心に下記の内容を実施した。 (1)経年データの統合:吹田研究ではベースライン(1989-1993年)調査以降、2年に1回の健診によりコホート研究対象者の追跡を行っており、身長、体重、腹囲、臀囲、血圧、血液検査(血糖値・脂質関連検査など)、喫煙、飲酒、閉経などの健診データが経年的に蓄積されている。これらをベースライン以降、2011年度まで対象者固有のIDで統合し、データの状況の確認、クリーニング等を行った。 (2)診断基準設定と解析データセット作成:肥満関連指標の経年的な観察以外に、循環器疾患危険因子(高血圧、糖尿病、脂質代謝異常症等)の発症リスクと肥満関連指標との関連をコホート研究として検討可能であり、まず、有病者数の急増が懸念されている糖尿病をアウトカムとしたデータセットを次の手順で作成した。①糖尿病の診断基準をガイドライン等を参考に決定、②ベースラインで診断基準を満たさない者を追跡対象とする、③追跡期間中に診断基準を満たした場合はその時点で糖尿病発症とする。 (3)肥満関連指標と循環器疾患発症の関連の検討:吹田研究では、ベースライン調査結果と2007年までの循環器疾患(冠動脈疾患・脳卒中)発症とを連結したコホート研究としてのデータセットが存在する。補足的な解析として、肥満関連指標の意義をより明確にするために、コホート研究のデータセットを使用して、最近海外で報告の多いウエスト身長比と循環器疾患発症リスクとの関連の検討を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の計画の主たる内容である解析用データセットの作成について、研究実績の概要に記したとおり、おおむね実施済みである。また、これと平行しながら、今回の研究の補足的な解析として、肥満関連指標の意義をより明確にするために、吹田研究のコホート研究のデータセットを使用して、ウエスト身長比と循環器疾患発症リスクとの関連についても検討を行った。以上より、おおむね、順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度以降は、平成24年度に作成したデータセットを使用しながら、平成25年度、平成26年度の研究計画(下記)に示したような解析および検討を順次進めていく予定である。 1)肥満関連指標、検査データ、生活習慣の年次推移の観察・記述疫学的検討 2)肥満関連指標と生活習慣・閉経等の関連についての記述疫学的検討 3)アウトカム発症者と非発症者における肥満関連指標の推移の比較 4)肥満関連指標とアウトカム発症との関連の検討 5)全体の総括
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし。
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