研究課題/領域番号 |
24590837
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研究機関 | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
渡邉 至 独立行政法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (40343446)
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キーワード | 肥満関連指標 / 高血圧 / 糖尿病 / コホート研究 |
研究概要 |
本邦で広く用いられている腹囲をはじめとした肥満関連指標のエビデンスは十分ではない。そこで、日本で唯一の都市部のコホート研究である吹田研究において、肥満関連指標の加齢・閉経による自然経過や、循環器疾患の危険因子(高血圧、糖尿病、脂質代謝異常など)発症との関連を検討する。平成25年度は、ベースライン(1989-1993年)調査以降、経年的に蓄積されている検査データを統合したデータセットを用いて、肥満関連指標の記述疫学的検討を進めるとともに、肥満関連指標と高血圧発症、糖尿病発症についてもあわせて検討した。 (1)肥満関連指標と高血圧発症との関連 ベースライン時に非高血圧の者を平均7.2年間追跡し、ベースライン時の肥満関連指標(BMI,腹囲,ウエスト身長比)と高血圧発症(140/90mmHg and/or 降圧薬内服中)との関連を検討した。いずれの指標においても、男女ともに肥満傾向が強くなるにつれて多変量調整後高血圧発症リスクは上昇し、1SDあたりの発症リスクは1.2-1.3倍で、3つの指標間に有意差はなかった。 (2)腹囲の変化と糖尿病発症 ベースラインから5-9年間の腹囲の変化とその後約9年間の糖尿病発症(空腹時血糖値126mg/dl以上 and/or HbA1c6.5%以上 and/or 糖尿病薬内服中)リスクとの関連を検討した。ベースラインで高腹囲(中央値以上)の集団において、腹囲の増加が大きくなるにつれて糖尿病発症リスクは上昇し、4cm以上増加群で約1.7倍であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度計画の主たる内容である記述疫学的検討については一部を除いて終了しており、また、平成26年度の肥満関連指標とメインアウトカム(高血圧発症、糖尿病発症など)の関連の検討についてもすでに進行中である。残った部分については平成26年度に実施可能であり、おおむね、順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、引き続き、平成25年度、平成26年度の研究計画にそって解析を実施し、積極的に学会発表および論文化など結果の公表をすすめていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度はデータセットの整備および解析に重点を置いたため、旅費およびその他の支出が想定を下回ったため。 平成26年度は、引き続き解析を行うとともに、積極的に結果の公表(学会発表・論文化など)を行う予定であり、平成25年度から繰り越した残額は、結果の公表に関連する経費に使用する予定である。
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