研究課題/領域番号 |
24590838
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
田上 貴臣 大阪府立公衆衛生研究所, 衛生化学部, 主任研究員 (00321943)
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研究分担者 |
武田 章弘 大阪府立公衆衛生研究所, 衛生化学部, 技師 (00622755)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 薬学 / 分析化学 |
研究概要 |
【目的】漢方薬原料である生薬中のアリストロキア酸Iを分析するための公定法は、生薬由来の妨害を受け、アリストロキア酸Iの含有の有無を明確に判定できない場合がある。本研究では、固相抽出法と蛍光誘導化などの手法を組み合わせることにより、高感度かつ特異性の高い分析法の確立を目指す。 【方法】安全性情報において「注意を要する生薬」とされ、アリストロキア酸の混入が懸念されている4種類の生薬を対象として、分析法の検討を行うこととした。また、分析方法は、陰イオン交換系の固定相を用いた固相抽出カートリッジと夾雑物の影響を受けにくい液体クロマトグラフ/質量分析計を用いることとした。 【結果】4種類の生薬を対象として、分析法の妥当性について検討したところ、今回検討した分析法は、安全性情報において「注意を要する生薬」とされ、アリストロキア酸の混入が懸念されている4種類の生薬中のアリストロキア酸を選択的に分析することが可能であると考えられた。 【まとめ】今回検討した分析法は、選択的な分析が可能であることから、公定法等によりアリストロキア酸の含有が疑われた際の分析に有用であると考えられた。特に偽陽性を否定することが可能となれば、薬用資源の有効活用につながると考えられる。生薬の多くは漢方薬や生薬エキスへと加工される。製剤化においては抽出温度、抽出時間など様々な条件があることから、今後は生薬・漢方薬の分析を行うとともに、アリストロキア酸を含有するウマノスズクサ科の植物を用いて製剤化における挙動について検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、漢方薬原料である生薬中のアリストロキア酸Iを分析するための高感度かつ特異性の高い分析法の確立を目指した。 検討の結果、陰イオン交換系の固定相を用いた固相抽出カートリッジと夾雑物の影響を受けにくい液体クロマトグラフ/質量分析計を用いることにより、生薬中のアリストロキア酸Iの選択的な分析法を確立することができた。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度の検討はおおむね順調に進んだことから、交付申請書の通り次年度は漢方薬を対象としたアリストロキア酸Iの高感度かつ選択的な分析法について検討する。また、生薬・漢方薬の分析を行うとともに、アリストロキア酸を含有するウマノスズクサ科の植物を用いて製剤化における挙動について検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度の検討はおおむね順調に進んだが、次年度に使用する予定の研究費76508円が生じた。次年度交付予定の1500000円と合わせ、予定通り漢方薬を対象とした分析法について検討する。また、生薬・漢方薬の分析を行うとともに、アリストロキア酸を含有するウマノスズクサ科の植物を用いて製剤化における挙動について検討する。
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