研究課題
都市部住民コホート「神戸研究」では平成26年5月まで追跡調査の一環としての2回目の来所検査を実施し、平成26年6月に研究代表者は先端医療センター研究所から兵庫医科大学に異動した。神戸研究では客員研究員として引き続き研究運営に携わった。兵庫医科大学では農村部住民コホート「篠山研究」の実務担当となり、調査の運営と本課題に関連する測定を行った。平成26年度は808名に研究用採血と尿検体の収集を行った。尿検体を用いて酸化ストレスや細小動脈硬化と関連する尿中L型脂肪酸結合蛋白(L-FABP)を測定した。L-FABPが男性で1.57μg/gCRE以上と高値だった者の割合は、現在喫煙者59%、過去喫煙者49%、非喫煙者44%、女性で1.89μg/gCRE以上と高値だった者の割合は同52%、50%、50%であり、男性において喫煙者ではL-FABPが高値の者の割合が高かった。血液検体を用いて、酸化LDLとしてLOX-1系変性LDL指標である可溶型レクチン様酸化LDL受容体(sLOX-1)とLOX-1 ligand containing ApoB(LAB)を男性において測定した。sLOX-1の中央値は、現在喫煙者356、過去喫煙者 326 、非喫煙者311 ng/L、LABの中央値は同5.0、4.6、4.2 mg/Lと、sLOX-1とLABは喫煙者ほど高い傾向がみとめられた。これらの指標と生活習慣要因について、引き続き分析を進める。平成26年度には、神戸研究の成果として、学会発表では、日本公衆衛生学会総会にて生活習慣要因である塩分摂取量や塩分知覚低下と血圧との関連について、日本疫学会学術総会にてLOX-1系変性LDL指標と肥満指標について報告を行った。論文発表では、生活習慣としての食事指標である血中脂肪酸と、酸化LDLが強く関与するとされる慢性炎症との関連について分析した原著論文(研究代表者筆頭)がJ Nutr Health Aging に受理された。
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J Nutr Health Aging
巻: 未定 ページ: 未定
10.1007/s12603-015-0497-9
J Atheroscler Thromb
http://doi.org/10.5551/jat.26450
J Epidemiol
巻: 25 ページ: 303-311
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http://www.ibri-kobe.org/laboratory/research/lab12/01.html