研究課題/領域番号 |
24590847
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
浅利 優 旭川医科大学, 医学部, 助教 (40360979)
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研究分担者 |
大村 友博 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00439035)
岡 久美子 旭川医科大学, 医学部, 助教 (60571891)
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キーワード | 個人識別 / 挿入欠失多型 / PCR / 蛍光標識 / 人工核酸LNA / ユニバーサルプライマー |
研究概要 |
選択した40座位について、ゲノムDNAを1ng を用いて4回の独立したマルチプレックスPCRを行った。1反応あたり10座位を対象としたマルチプレックスPCRとキャピラリー電気泳動により解析したところ、シグナルの蛍光強度が顕著に低いものがいくつかの座位で観察された。これを改善するため、増幅するプライマーを再設計あるいは対象領域を一部変更することで、日本人集団において出現頻度に偏りの少ない38座位の挿入欠失多型を最終的に選択した。なお、常染色体から37座位、性染色体から1座位(性別判定用)を含んでいる。 LNAを含まないM13(-47)配列である蛍光標識ユニバーサルプライマーを用いた場合では、各座位を増幅するプライマー濃度を0.05-10μMに調節し、温度条件は95℃15分の熱変性ののち、 94℃1分、62℃1分、72℃1分を1サイクルとして30サイクル行い、72℃60分伸長反応を行うことで、バランスのとれたシグナルを得ることができた。 日本人100名から採取したゲノムDNAを用いて常染色体37座位の挿入欠失多型の出現頻度を算出したところ、マイナーアリルの平均出現頻度は0.39であった。常染色体37座位についてはHardy-Weinberg平衡から乖離は認められず、同一染色体にある座位では連鎖不平衡は観察されなかった。各座位の総合同値確率は0.347から0.507の範囲にあり、37座位を合わせた総合同値確率は2×10マイナス15乗であった。この値は市販のSTRキットと近い値であることから、個人識別に有用なマーカーを選択できたと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
個人識別に有効となる38座位の挿入欠失多型について型判定を行い、アリル頻度を算出できたことから、当初予定していた計画は概ね達成できたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
LNAを導入した蛍光ユニバーサルプライマーによる効果について検討する。具体的には座位間でのシグナル強度の均一さや反応時間の短縮化について精査する。
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