心疾患は熱中症発症のリスクファクターの一つとされているが、そのメカニズムについては詳細な報告はない。そこで、心筋梗塞モデルラットに熱暴露を行い、心疾患と熱暴露の関係について検討した。 本研究では健常心と比較して、心疾患(心筋梗塞)がある場合には、熱暴露直後から心臓の傷害を示す指標の上昇がみられ、熱暴露による心臓への直接的な傷害があったことを示している。また、熱暴露後でも、数時間にわたり心筋傷害や心筋虚血などの形で心負荷が継続する可能性が示唆された。これらのことから、心疾患がある場合には、健常心より熱暴露に対してより脆弱であり、熱暴露における熱中症発症・増悪リスクを高めていると考えられる。
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