• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

抗精神病薬の心臓における病態生理の解明-薬剤誘発性不整脈の法医学的診断法の確立-

研究課題

研究課題/領域番号 24590858
研究種目

基盤研究(C)

研究機関長崎大学

研究代表者

池松 和哉  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80332857)

研究分担者 坪井 貴司  東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (80415231)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードChlorpromazine / 心臓突然死 / 心筋症
研究概要

精神病薬服薬患者の心臓突然死は、薬物自体に心毒性があるにもかかわらず、法医剖検にて有意な所見が得られることが少ないため、突然死の病態解明に苦慮することが多い。申請者等はマウス心臓を標的臓器として抗精神病薬であるChlorpromazine (Chl)を動物モデルに長期投与することによって、不整脈・心筋症を発症させうる遺伝子発現状態を確認した。そこで、本研究では、更なるマウス心臓における抗精神病薬投与時の病態生理学的解明を行うとともに、不整脈・心筋症発症のKey Playerとなる蛋白質を同定し、その結果を法医剖検例に応用することにより、薬剤誘発性心臓突然死の死因判定の正確性を向上させることを目的とする。
本年度は Chl処置を行ったHL-1および心筋組織について、Apoptosisの検出を試みた。申請書に記載した通り、申請者はChl処置にてHL-1にApoptosis様形態変化が生じること、MicroArray解析にてProgram cell deathに関連する遺伝子(転写因子)のmRNAが増加することを見出している。これらの知見をもとに、培養細胞・心筋組織について、Apoptosisが生じていることをTunel法などの組織学的方法等を用いたところ、Chl処置を行った心筋組織にて電子顕微鏡を用いた観察にて核のクロマチン凝集が認められ、Tunel法で養成であった。従って、Chlは心筋細胞にApoptosisを生じさせることが判明した。
このことから、長期Chl投与は心筋症を生じさせるものと推定する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究目的である長期Chl投与動物モデルを対象としたMicroArray解析およびChl投与動物モデルでのIEGs発現検討をほぼ終了させ、心筋細胞にApoptosisを生じさせるカスケードをすでに特定している。

今後の研究の推進方策

今後、法医剖検例における組織学的アプローチをおこなうとともに、動物モデルを対象に心臓電気生理学的アプローチ・ストレス学的アプローチを行いたい。

次年度の研究費の使用計画

上記今後の研究の推進方策のために研究費を使用したいと考えている。

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi