精神病薬服薬患者の心臓突然死は、法医剖検にて有意な所見が得られないため、 突然死の病態解明に苦慮する。マウス心臓を標的臓器として抗精神病薬であるChlorpromazine (Chl)を動物モデルに長期投与することにより、不整脈・心筋症を発症させうる遺伝子発現状態を確認した。本研究では、培養細胞・心筋組織について、Chl処置を行った心筋組織にて核のクロマチン凝集が認められ、Tunel法で陽性であった。ヒトにおいても同様に認められた。 従って、Chlは心筋にApoptosisを生じさせることが判明した。 このことから、長期Chl投与は心筋症を生じさせるものと推定する 。
|