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2012 年度 実施状況報告書

溺死診断のための全自動プランクトン検査装置の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24590861
研究種目

基盤研究(C)

研究機関鹿児島大学

研究代表者

吾郷 一利  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20102056)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード法医解剖 / 溺死 / プランクトン検査 / 珪藻検査 / 壊機法 / 画像解析
研究概要

本研究は壊機法の自動化とプランクトン検索の自動化という大きな2つのテーマからなる.初年度はその1つである自動プランクトン検索・分析装置の開発に着手した.
現有の生物顕微鏡(ECLIPSE 50i,Nikon社製)に,CCDカメラ(DSカメラコントロールユニット DS-U3:Nikon社製)および電動ステージ(ProScan III,Prior社製)を装着し,これらをコンピューター上から操作・作動させる装置を構築した.プランクトンの自動検索は,この装置を用い,まずプレパラート標本の部分画像を連結し全体画像を得るソフトウエア(画像タイリングシステム:e-Tiling MITANI CORPORATION社製)により,自動的にプレパラート標本の全情報を収集することを行った.つぎに得られた連結画像から画像計測・統計ソフト(WinROOF MITANI CORPORATION社製)により,プランクトン(主に珪藻)を自動的に識別し分析することを行った.このプロトタイプのプランクトン検索・分析装置の解析能を,淡水,海水を用いて作成したプランクトンのプレパラートを標準試料として検討した.
この装置により自動化が図れる可能性が示された.本研究の目的の一つであるプランクトン検索の省力化,各検査機関間における手技の統一化,精度の画一化が図れる.また,今回構築された装置の不備な点も多々見いだされ,とくに当初から懸念されたプランクトンと混在するプランクトンではない不溶性沈渣との識別が不完全であるため,計測数が実数以上の値になる傾向がみられた.そこで,鮮明な画像を取り込むための最良な条件の検討,画像分析の際の形状分離.識別の条件の検討を行い,実数に近似する値が得られつつある.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の初年度は,壊機法の自動化に先駆け,プランクトン(主に珪藻)の自動検索システムの構築から着手した.部分画像から画像連結プログラムにより全体画像の作成を行う過程,全体画像より形状解析プログラムによりプランクトンを自動的に検出するシステムに関するプロトタイプの構築はできた.自動検索システムの評価については,操作の省力化,作業時間の短縮化,検出の精度等に関して検討を行っている.システム導入による得失,その可能性および限界について得られた成果は関連学会において発表の準備中である.

今後の研究の推進方策

24年度に構築したプロトタイプのプランクトン自動検索システムに関して,抽出された問題点,とくにプランクトンとそれ以外のものとの識別能を高める.そのためには,プロトタイプにおいて導入された画像計測・統計ソフトが球状形態のみ分離可能なプログラムしか備えていないことから,針状形態のものが分離可能なプログラムが必要になる.できれば針状分離プログラムを取り入れ,最重要な検出精度の改善をはかるとともに操作の省力化,作業時間の短縮化が行える最良の条件の設定を検討し,システムの完成を目指す.
併せて,もう1つの課題である壊機法の自動化に関する実験に着手する.自動壊機装置については,壊機に影響する試料の重量,加熱温度および時間,酸の添加量および添加時期,送液ポンプ・配管チューブ・ホットプレート等の装置の耐酸性などの基礎的事項について検討する.

次年度の研究費の使用計画

プランクトン自動検索システムの条件設定のためのには標準となるプランクトンのプレパラート標本(海水性プランクトンならびに淡水性プランクトン)が必要となる.そのための試薬類,容器類,スライドグラス,カバーグラス等を購入する.プランクトン自動検索システムの精度を上げるために画像計測・統計ソフトにオプション機能である針状分離計測プログラムを導入したい.壊機法の自動化のためのポンプ類および壊機のための発煙硝酸,硫酸等の試薬や容器類を購入する.得られた成果を学会報告するための旅費を計上する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 2011年における鹿児島県の浴室内突然死例の検討-死後CT検査導入による検案時の死因判定の変化について-2013

    • 著者名/発表者名
      吾郷 一利,林 敬人,吾郷 美保子,原田 朋幸,小片 守
    • 雑誌名

      鹿児島大学医学雑誌

      巻: 65 ページ: 1-8

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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