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2014 年度 実績報告書

高齢自動車乗員の胸部損傷予防に向けた医工学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24590864
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

一杉 正仁  滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90328352)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード胸部損傷 / 胸部特性 / 加速度 / 高齢 / 動物実験 / 人体有限要素モデル
研究実績の概要

目的:高齢者における交通事故による胸部損傷を予防するためには、高齢者の胸郭特性を理解する必要がある。人における胸郭特性を明らかにするためにラットを用いた生体工学的研究を行い、さらに人体有限要素モデルを用いて人への応用を試みる。
方法:シートベルトを着用した自動者乗員が事故時に外力を受けるモデルとして、台上で腹臥位にした高齢ラットに、深麻酔下で22~107m/s2の加速度を作用させた。その際に、台、ラット胸骨部、脊椎部にかかる加速度を経時的に測定した。この結果を人に応用するために人体有限要素モデルに同一負荷条件を適用し、類似の応答が得られかを確認した。そしてスケーリング手法を用いて、測定値を人の場合に換算した。
結果:ラットの胸骨及び脊柱で得られた加速度波形を入力して人体の挙動を確認したところ、胸骨の背側への移動に始まる胸郭の変形が確認できた。そして、約35ms後に胸骨加速度が0になり、その後復元する挙動が確認できた。さらにスケーリングの手法を用いて、ラットで計測された加速度の経時変化を外挿したところ、波形の不一致が確認された。しかし、ピーク値を換算したところ、人における傷害値として矛盾しないことが確認できた。
考察:ラットを用いた落下試験を実施し、加速度が作用した際の胸郭応答を評価した。人体有限要素モデルを用いた衝撃シミュレーションを行い、さらにスケーリングを行うことで、人体の胸郭剛性の評価を補完・代替できる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Safety of Japanese K-car in a real-world low severity frontal collision.2015

    • 著者名/発表者名
      Hitosugi M, Matsui Y
    • 雑誌名

      Traffic Inj Prev

      巻: 16 ページ: 90-94

    • DOI

      10.180/15389588.2014.885649

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Biomechanical analysis of acute subdural hematoma resulting from judo.2014

    • 著者名/発表者名
      Hitosugi M, Murayama H, Motozawa Y, Ishii K, Ogino M, Koyama K
    • 雑誌名

      Biomed Res (Tokyo)

      巻: 35 ページ: 339-344

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ラット落下実験による胸部応答評価と人体有限要素モデルとの比較.2014

    • 著者名/発表者名
      伊藤大輔,一杉正仁,本澤養樹,水野幸治
    • 雑誌名

      日本交通科学学会誌

      巻: 14 ページ: 15-20

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 交通事故受傷者に対する救急搬送後の対応の法医学的検証.2014

    • 著者名/発表者名
      古川智之、森田沙斗武、西克治、一杉正仁
    • 雑誌名

      法医学の実際と研究

      巻: 57 ページ: 209-213

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 自動車運転再開支援を行った脳損傷者の特徴と事故について2014

    • 著者名/発表者名
      武原 格, 一杉正仁, 渡邉 修, 林泰史, 米本恭三, 安保雅博
    • 雑誌名

      リハ医学

      巻: 51 ページ: 138-143

    • 査読あり
  • [学会発表] シンポジウム セーフティプロモーション(公衆衛生アプローチによる安全・安心づくり)-理論と実践,交通事故による傷害を減らすために‐効果的予防対策の実践‐2014

    • 著者名/発表者名
      一杉正仁
    • 学会等名
      第73回日本公衆衛生学会総会
    • 発表場所
      宇都宮市
    • 年月日
      2014-11-05 – 2014-11-07
    • 招待講演
  • [学会発表] 自動車運転を考慮した整形外科診療2014

    • 著者名/発表者名
      一杉正仁
    • 学会等名
      栃木県整形外科医会講演会
    • 発表場所
      小山市
    • 年月日
      2014-08-28
    • 招待講演
  • [学会発表] シンポジウム 繰り返される事故 事故防止のあり方を考える, 未解決事故の原因を究明する, 事故例からのアプローチ.2014

    • 著者名/発表者名
      一杉正仁
    • 学会等名
      安全工学シンポジウム
    • 発表場所
      港区
    • 年月日
      2014-07-10
    • 招待講演
  • [学会発表] パネルディスカッション 交通安全の新しい取り組み、軽自動車における側面衝突事故再現解析.2014

    • 著者名/発表者名
      依田叡門、河内茂紀、櫻井俊彰、槇 徹雄、一杉正仁
    • 学会等名
      第50回日本交通科学学会学術講演会
    • 発表場所
      品川区
    • 年月日
      2014-06-21 – 2014-06-22
  • [学会発表] パネルディスカッション 交通安全の新しい取り組み、居眠り運転予見予知(副次行動と頭部動揺計測)2014

    • 著者名/発表者名
      三林洋介、田宮高信、一杉正仁、大久保堯夫
    • 学会等名
      第50回日本交通科学学会学術講演会
    • 発表場所
      品川区
    • 年月日
      2014-06-21 – 2014-06-22
  • [図書] 知って得する100事例 患者さんトラブル予防・解決Q&A.2014

    • 著者名/発表者名
      一杉正仁 編、一杉正仁、松村美穂子、川戸 仁、山内 忍、前田純子、束田千絵 著
    • 総ページ数
      213
    • 出版者
      メディカルビュー

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公開日: 2016-06-01  

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