本研究の目的は法科学試料や法医学予備検査などに使用した試料より直接PCR法を用いてDNA多型を検査し個人識別を行えることである。使用した試料は主に血痕、唾液、精液及びヒト爪などであった。周知のように法医学的な物件鑑定には血痕が最も多い。これらの斑痕のDNAを鑑定するまえに定性試験が欠けない。しかし鑑定試料が少ないときに予備試験で試料を使い尽くすと次のDNA鑑定の試料が確保できなくなる。そこで予備試験で使用した試料をそのまま再利用でDNA鑑定を検討した。血痕、唾液斑および精液斑の定性検査後に15種類のSTR多型のPCR増幅を行い、ほとんどの試料から多型の検出ができた。
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