昨今、ナノ粒子やナノマテリアルの開発が急速に進み、アクシデンタルな曝露や日常的に体内に取り込む可能性がある。繊維状ナノマテリアル(アスベストやカーボンナノチューブなど)の吸入暴露が炎症反応を通して肺に疾患を引き起こすことが知られている。ナノマテリアル等の暴露による肺疾患に関与する炎症反応であるNLRP3インフラマソーム機構に、GTP effectorであるROCKsが関与することを細胞を用いて明らかとした。アクシデンタルな暴露による生体影響の一部を明らかにすることができた。これらの毒性発現機序の解明の結果は、今後の繊維状粒子の曝露時の治療や発症遅延にも貢献する貴重なデータであると考えられる。
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