研究課題/領域番号 |
24590869
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
北村 修 金沢医科大学, 医学部, 教授 (70266609)
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研究分担者 |
王 路 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (60555051)
武市 敏明 金沢医科大学, 医学部, 助教 (90460360)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 頭部外傷 / スペクトリン分解産物 / カルパイン / カスパーゼ / ポリクローナル抗体 |
研究概要 |
この研究では、1)calpain及びcaspase-3による各種αII-spectrinの分解産物(SBDP)に対する抗体を作製し、2)上記抗体に加え、他の細胞骨格蛋白質及びグリア細胞のマーカーに対する抗体を用いて、免疫組織化学的染色、免疫蛍光抗体法により、脳幹部(呼吸・循環中枢)を観察する。以上の研究より得られたデータより、頭部外傷における脳幹部の神経細胞障害に関与するメカニズムを解析する。さらに頭部外傷例における呼吸・循環中枢障害の法医病理学的診断への有用性について検討することを目的としている。 Caspaseによる分解産物であるSBDP120及びcalpain-3による分解産物であるSBPD145のN末端部領域の5個のアミノ酸(SBDP120:NH2-SVEAL、SBDP145:NH2-SAHEV)からなるペプチドを合成し、C末端にシステインを介した上で、Keyhole Limpet Hemocyanin(KLH)を結合させ、それぞれを2匹のウサギに免疫して、3ヶ月後に血清を採取して、抗原カラムクロマトグラフィーによる精製を行った。これらの抗体について、高濃度の覚醒剤投与したラットの脳について、線条体を摘出し、タンパク質抽出を行った。タンパク質を電気泳動後に、ウェスタンブロット法により、抗体との反応を検討した。その結果、SBDP120に対する抗体では120kDのバンド、SBPD145に対する抗体では、150kDのバンドと特異的な反応を認めた。したがって、calpain及びcaspase-3による神経細胞障害を識別することができるポリクロナール抗体の作製が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
頭部外傷のマーカーとなり得る、calpain及びcaspase-3による各種αII-spectrinの分解産物(SBDP120、SBDP145)に対する抗体を作製することができた。
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今後の研究の推進方策 |
αII-spectrinの分解産物(SBDP120、SBDP145)に対する抗体を用いて、頭部外傷例の剖検脳について免疫組織学的染色を行い、有用性を検討する。また、calpain及びcaspase-3によるその他のαII-spectrinの分解産物であるSBDP150N、SBDP150iについて、それぞれのN末端部領域の5個のアミノ酸を合成して、これらをウサギに免疫してポリクローナル抗体を作製する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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