研究課題/領域番号 |
24590869
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
北村 修 金沢医科大学, 医学部, 教授 (70266609)
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研究分担者 |
王 路 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (60555051)
武市 敏明 金沢医科大学, 医学部, 助教 (90460360)
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キーワード | 頭部外傷 / スペクトリン分解産物 / カスパーセ / ポリクローナル抗体 / 免疫組織化学的染色 |
研究概要 |
この研究では、1)calpain及びcaspase-3による各種αII-spectrinの分解産物(SBDP)に対する抗体を作製し、2)上記抗体に加え、他の細胞骨格蛋白質及びグリア細胞のマーカーに対する抗体を用いて、免疫組織化学的染色、免疫蛍光抗体法により、脳幹部(呼吸・循環中枢)を観察する。以上の研究より得られたデータより、頭部外傷における脳幹部の神経細胞障害に関与するメカニズムを解析する。さらに頭部外傷例における呼吸・循環中枢障害の法医病理学的診断への有用性について検討することを目的としている。 昨年度に作製したSBDP120、SBPD145に対するポリクローナル抗体を用いて、法医剖検例の脳組織を蛍光抗体法により染色したところ、陽性像が認められた。さらに、neuron-specific enolase (NSE:神経細胞のマーカー)やさらにアストロサイトのマーカーであるGFAP及びミクログリアのマーカーであるhGLUTとともに二重染色したところ、神経細胞における局在を確認した。したがって、免疫組織化学的なSBDP染色は、神経細胞障害の同定に有用であると考える。 SBDP145及びSBPD150iのN末端部領域の5個のアミノ酸(SBDP145:NH2-SAHEV、SBDP150i:NH2-SKTES)からなるペプチドを合成し、それらのポリクロナール抗体の作製した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
頭部外傷等の法医剖検例について、作製したポリクローナル抗体を用いた蛍光抗体法により、calpain及びcaspase-3による各種αII-spectrinの分解産物(SBDP120、SBPD145)が染色されることにより、神経細胞障害の指標として有用であることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
頭部外傷等の症例の脳組織について、SBDP120、SBPD145に加えて、SBDP145及びSBPD150iの免疫組織化学的染色染色を行い、画像解析を行う。そのデータを、神経細胞の形態学的変化(虚血性変化)や、MAP2などの神経骨格細胞障害とを比較することにより、早期の神経細胞障害の評価の可能性について検討する。
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