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2012 年度 実施状況報告書

モノリスカラムを用いたハイスループットLC/MSによる緊急薬物同定システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24590870
研究種目

基盤研究(C)

研究機関愛知医科大学

研究代表者

有信 哲哉  愛知医科大学, 医学部, 准教授 (30329776)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード法中毒学 / 分析化学 / 質量分析 / 有機化学
研究概要

中毒原因薬物の迅速かつ確実な同定・定量法を確立することは,法中毒学・救命救急の分野において重要な研究課題の一つである。現在,血中薬物の同定において,もっとも主流な分析法はガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)である。しかし,このGC/MS法では,タンパク質・核酸・多糖類等の生体高分子の除去(前処理)が必要となるため,測定結果がでるまでに数時間,場合によっては数日を要することもある。そのため,これに替わる新しい迅速分析法の開発が現在求められている。本研究では,中毒原因薬物の同定・定量を,血液の前処理を含め4分以内に実行可能な高速液体クロマトグラフ/質量分析計(HPLC/MS)を用いた超迅速・簡易分析法の確立を目的としている。本年度は,タンパク質等含む生体試料の直接注入が可能と予想されるHPLCカラムについて,薬物のトラップ率などの調査をおこなった。具体的には,Waters Oasis HLBシリーズ,昭和電工MSpakシリーズ,資生堂CAPCEL PAKMFシリーズ,メルクLiChrospher 100 Diol,レギスPINKERTON GFFシリーズ等のHPLCカラムについて,固定相の漏出チェック並びにMSへの影響,各種薬物のトラップ率の調査を行い,目的薬物が漏出されることなく,確実にトラップできる充填剤の検索を行った。またその際の移動相の検討も行った。今後はこれらの結果を元に,バックフラッシュカラムスイッチングシステムの構築を順次行っていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画に沿って,本年度は主に生体試料の直接注入が可能と予想されるHPLCカラムの検討を行った。具体的には, 生体試料を直接注入可能とされている最新の前処理トラップカラム(Waters Oasis HLBシリーズ,島津Shim-Pack MADY-ODS,昭和電工MSpak・SPSシリーズ,資生堂CAPCEL PAK MF シリーズ,和光Wakopak WS GP-N6,メルクLiChrospher 100Diol,レギスPINKERTON GFFシリーズ等)などについて,固定相の漏出チェック並びにMSへの影響を調べ,さらに法医学分野で特に重要な薬物である抗うつ薬,抗精神病薬,抗不安薬などの各種薬物についてトラップ率の調査を行なってきており,本年度はおおむね順調に進行していると考えられる。

今後の研究の推進方策

生体試料中の薬物分析の従来法では,煩雑な前処理が必要であることが多く,分析者の技量によってデータのバラツキが生じることもあった。この点を踏まえ,前処理を大幅に簡略化した高速液体クロマトグラフ/質量分析計を用いたバックフラッシュカラムスイッチングシステムの再構築を目指す。また,薬物のマススペクトルの収集も行う。各種薬物,内部標準物質を相互分離させるための最適条件(特に移動相),すなわち酢酸アンモニウム, 酢酸, ギ酸, メタノール,アセトニトリルなどを用いて,その濃度,混合の割合,流速,グラジエント率などの検討を行い,多種類の薬物及びその代謝物の一斉分析の条件設定を行う。さらに,生体試料に標準物質を添加し,検出限界・定量性・回収率および再現性について検討を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

本年度に遂行予定であった前処理トラップカラムの比較検討をさらに行う必要があるため,繰越分についてはこれらの研究経費にあてる予定である。次年度はその他に分析装置及び関連部品,ガラスバイアル,ピペット類,移動相溶媒(メタノール,アセトニトリル,水等),試薬(無機酸,有機酸),関連書籍等の購入,出張旅費等の使用を予定している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] High-throughput dtermination of barbiturates in human plasma using on-line column-swithching ultra-fast liquid chromatography-tandem mass spectrometry2013

    • 著者名/発表者名
      Xiao-Pen Lee, Takeshi Kumazawa, Chika Hasegawa, Tetsuya Arinobu, Hiroshi Seno, Osamu Suzuki, Keizo Sato
    • 雑誌名

      Forensic Toxicology

      巻: 31 ページ: 9-20

    • DOI

      10.1007/s11419-012-0155-4

    • 査読あり
  • [学会発表] UPLC-MS/MSを用いたヒト血漿中メラトニン受容体作動薬の迅速・一斉分析2012

    • 著者名/発表者名
      小川匡之、岩井雅枝、服部秀樹、伊藤健次郎、有信哲哉、石井晃、鈴木修、妹尾洋
    • 学会等名
      第37回日本医用マススペクトル学会年会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      20121025-20121026
  • [学会発表] High-throughput dtermination of barbiturates in human plasma using on-line column-swithching ultra-fast liquid chromatography-tandem mass spectrometry2012

    • 著者名/発表者名
      Xiao-Pen Lee, Takeshi Kumazawa, Chika Hasegawa, Tetsuya Arinobu, Hiroshi Seno, Akemi Marumo, Keizo Sato
    • 学会等名
      The 50th Anual Meeting of the International Association of Forensic Toxicologists
    • 発表場所
      Hamamatsu
    • 年月日
      20120603-20120608

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公開日: 2014-07-24  

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