研究概要 |
本年度は,生体試料の直接注入が可能だと予想されるHPLCカラムについて,固定相からの漏出チェック並びにMSへの影響,各種薬物のトラップ率の再調査を行い,その結果に基づいて,バックフラッシュカラムスイッチングシステムの構築を行った。前処理カラムはWaters Oasis HLB25μm, Waters Oasis WCX30μm又はShodex MSpak PK seriesを用いることで,対象薬物の漏出は認められなかった。なお,Shodex MSpak PK seriesの方が若干薬物の吸着力が強いことが確認された。バックフラッシュ後に導入される分析カラムの検討を行った。分析カラムには,メルク社のChromolith Performance High Resolution RP-18e 100-4.6mm, Chromolith Performance RP-18e 100-4.6mm, Chromolith Performance RP-18e 100-3mm, Chromolith Performance RP-18e 50-2mm等の比較検討を行った。その後,スイッチングバルブを3台または4台を使用し,HPLCポンプ一台のみでバックフラッシュカラムスイッチングシステムの構築を試みた。この構築した現システムでは,タンパク質等の生体高分子は,約0.5min程度で溶出することを確認した。また,移動相として0.1%ギ酸水溶液及び0.1%ギ酸含有アセトニトリルを用いたグラジェント法により4分以内にハロペリドール及びその代謝物数種を溶出させ,さらに相互分離させることが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最適なトラップ用HPLCカラムの選定後, 高速液体クロマトグラフ/質量分析計を用いたバックフラッシュカラムスイッチングシステムを構築した。Test compoundsとしてハロペリドール及びその代謝物を用い,質量分析側の最適条件化,並びに各種薬物,内部標準物質を相互分離させるための最適条件(特に移動相)の検討を行った。 すなわちギ酸, メタノール,アセトニトリルなどを用いてその濃度,混合の割合,流速,グラジエントの比率などの検討を行い,薬物及びその代謝物の一斉分析の条件設定を行った。
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