研究課題/領域番号 |
24590871
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
松末 綾 福岡大学, 医学部, 講師 (70309920)
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研究分担者 |
久保 真一 福岡大学, 医学部, 教授 (10205122)
原 健二 福岡大学, 医学部, 講師 (00090738)
柏木 正之 福岡大学, 医学部, 准教授 (70301687)
ウォーターズ ブライアン 福岡大学, 医学部, 助教 (00609480)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 法医学 / 突然死 / 遺伝子変異 |
研究実績の概要 |
ヒト心筋ナトリウムチャネルαサブユニット遺伝子であるSCN5A遺伝子は、遺伝性致死性不整脈の原因遺伝子である。突然死剖検例におけるSCN5A遺伝子の変異を探索したところ、 R1193Qが認められた。この変異は、過去にBrugada症候群とQT延長症候群の患者に認められており、in vitroの実験系でナトリウムチャネルの不活性化を促進することが報告されている。前年度に引き続き、アジア人、ドイツ人並びにアフリカ人集団におけるR1193Q変異を解析し頻度調査を行った。日本人1594人:青森(100)、岩手(120)、新潟(100)、鳥取(103)、福岡(200)、宮崎(199)、鹿児島(202)、沖縄(196)、壱岐(84)、対馬(106)、五島(184)、韓国人249人:ソウル(108)、光州(141)、モンゴル人201人:ハルハ(100)、ブリヤート(101)、漢中国人751人:北京(118)、固安県(118)、無錫(119)、西安(97)、長沙(108)、恵州(108)、雲南省(83)、雲南省の少数民族(64)、オロチョン(81)、エベンキ(114)、チベット人:カトマンズ(98)、タイ人:バンコク(114)、インド人:ニューデリー(107)、トルコ人(112)、ドイツ人:ミュンヘン(94)並びにアフリカ人:ガーナ・ナイジェリア(68)の血液からDNAを抽出し、R1193Q変異の検出をTaqMan法並びにAPLP法で行った。R1193Qの変異型alleleの頻度が最も高かったのは青森の0.1000であった。アジア人ではインド人を除く全ての集団で変異型alleleが認められたが、ドイツ人とアフリカ人では変異型alleleが認められなかった。以上の結果からR1193Qはアジア人に特異的な変異である可能性が考えられた。アジア人において明確な地理的勾配は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
原因不明の突然死剖検例において確認されたSCN5A遺伝子のR1193Q変異について、さらに詳細な集団頻度調査を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も原因不明の突然死症例を蓄積し、遺伝性致死性不整脈の原因遺伝子の変異を探索する。探索された遺伝子変異について、過去の文献やPolyphen-2、SIFT等の機能変化予測ツールを使用し、タンパク質への影響を推定し、死因との因果関係を考察する。 検出された変異について、TaqMan法やAPLP法による簡便な検出法を確立し、集団頻度調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していたQP法よりも、より安価なAPLP法の確立により、低予算で集団頻度調査を行うことができた。そのため、多検体検査に必要な試薬、備品の購入費用が予定よりも抑えられた。さらに、購入予定であった解析用パソコンを次年度に購入することにしたため繰越金が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は、別の変異、SNPについて、集団頻度調査を行う予定である。そのため、多検体検査に必要な試薬、備品を購入予定である。また、データ解析に必要なパソコンを購入予定である。さらに、最終年度であることから、研究を総括し、発表するために、英語論文校正、学会発表等の費用が必要であると考えている。
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