研究課題
SCN5A遺伝子について、アジア人、ヨーロッパ人並びにアフリカ人集団におけるR1193Q変異を解析し、頻度調査を行った。日本人[青森(100)、岩手(120)、山形(95)、新潟(100)、鳥取(103)、福岡(200)、宮崎(198)、鹿児島(202)、沖縄(196)、壱岐(84)、対馬(105)、五島(184)]、Korean[Seoul(108)、Kwangju(141)]、Oroqen(81)、Evenki(114)、Mongolia[ Buryat(101)、Khalkha(100)]、Han Chinese[Beijing(118)、Gu'an(118)、Wuxi(119)、Xi'an(97)、Changsha(108)、Huizhou(108)、Kunming(83)]、Yunnan Minority(64)、Tibetan(98)、Thai(114)、Asian Indian(107)、Turk(112)、German[Munich(169)、Cologne(199)]、French(98)並びにAfrican(68)の血液から常法に従ってDNAを抽出し、R1193Q変異の検出をTaqMan法並びにAPLP法で行った。R1193Qの変異型alleleの頻度が最も高かったのは青森の0.1000であった。次に高いのは岩手の0.0833であった。他の日本人におけるR1193Qの変異型alleleの頻度は0.0153から0.0750であった。Koreanでは、SeoulとKwangjuの頻度はそれぞれ0.0278と0.0638であった。Mongolia では、Khalkhaで0.0050、Buryatで0.0198と頻度が低かった。東アジア北部のOroqenとEvenkiでは、それぞれ0.0432 と 0.0088であった。Han Chineseにおける頻度は0.046から0.0787であった。Yunnan Minorityは0.0703であった。Tibetanでは0.0102と低く、Thaiでは0.0395であった。Turkは0.0045と低頻度であった。アジア人では、Asian Indian以外の全ての集団で変異型alleleが観察された。変異型alleleは、Germanでわずかに観察された(Munichで0.0030、Cologne で0.0025)が、FrenchとAfricanでは認められなかった。以上の結果から、R1193Qはアジア人に特異的であり、他の集団では非常にまれな変異である可能性が考えられた。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)
Legal medicine
巻: 19 ページ: 72-76
10.2152/jmi.63.114.