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2013 年度 実施状況報告書

二酸化炭素中毒での中枢性の呼吸障害に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24590874
研究機関産業医科大学

研究代表者

田中 敏子  産業医科大学, 医学部, 講師 (80141745)

研究分担者 佐藤 寛晃  産業医科大学, 医学部, 准教授 (50441845)
キーワード二酸化炭素 / 呼吸抑制 / 延髄 / 縫線核 / 青斑核 / 前初期遺伝子
研究概要

目的:呼吸調節の中枢は延髄に分布する。セロトニン神経の細胞体のほとんどは脳幹の縫線核にあって神経線維は中枢神経系全体に分布し,ノルアドレナリン神経の細胞体の多数は橋背側の青斑核にあり,いずれも呼吸調節に関連する可能性が示されている。本研究では両者を含む延髄中央部での二酸化炭素によるmRNAの発現をマイクロアレイ法で測定し,二酸化炭素による呼吸抑制との関連を調べた。
方法:ラットとマウスは二酸化炭素に対する反応が類似するが,遺伝子改変実験などによってマウスの情報がより充実していることから実験動物にはマウスを用いた。動物を麻酔後,高濃度二酸化炭素(二酸化炭素30%,酸素21%,窒素バランス)を3時間吸入させてCO2群とし,二酸化炭素30%の空気は低酸素となるので低酸素(酸素14.7%(21%×0.7),窒素バランス)を吸入させたHypoxia群,大気を吸入させた対照群(酸素21%,窒素バランス),さらに遺伝子発現までの所要時間を考慮して高濃度二酸化炭素を8時間吸入させたCO2長時間群に分けた。ガス吸入後に断頭し,第4脳室下の延髄中央部を採取し直ちに凍結した。アッセイは冷却下にホモジナイズし,mRNAをQIA shredderおよびRNeasy Mini Kitで抽出し,DNaseとエタノール沈澱操作で精製した。バイオアナライザーでRNAの性能を確認し,定法に従ってアレイを含む試薬(1色法対応In-situオリゴDNAマイクロアレイキット,4×44K)を用いてマイクロアレイを行い,GeneSpringで解析した。
結果:対照群に比べてHypoxia群の変動はわずかであったが,CO2群では前初期遺伝子を含む複数の転写遺伝子の有意な発現増加がみられ,CO2長時間群ではこれらの遺伝子の数および程度はさらに顕著となった。CO2群で発現増加を示した遺伝子を解析したところ,いくつかのシグナル経路との関連が示唆された。一方,ノルアドレナリンおよびセロトニンに関連する特異的な発現遺伝子の変動は明らかにならなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1.本年度の主眼であったマイクロアレイの実施にあたって試薬や操作法などの不備が生じ,再実験を行うこととなった。原因の究明ならびに再度の試料収集と試薬の入手に時間を要した。
2.データ解析にあたって,一部ソフトの不具合があり解決に時間を要した。

今後の研究の推進方策

今回の結果を参考にして,Real time PCR装置(学内共同利用施設現有)を用いて発現物質を同定を行う。これを幼弱と成熟において比較検討する。

次年度の研究費の使用計画

血中の二酸化炭素濃度を測定するための血液ガス分析装置(現有)の電極を年度末に注文した。その後,メーカーから当該機器は旧式でサポート期間は終了を迎え,主要パーツの製造販売を停止する旨の連絡を受けた。そのため,血液ガス分析装置は今後使用できなくなることが予測され,電極の注文を急遽取り消した。
二酸化炭素の血中濃度が測定できなくなるため,簡易型オキシメーターなどの購入を検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 高濃度二酸化炭素による海馬障害における加齢の影響

    • 著者名/発表者名
      田中 敏子,笠井 謙多郎,佐藤 寛晃
    • 学会等名
      第63回日本法医学会学術九州地方集会
    • 発表場所
      福岡市九州大学病院キャンパス

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公開日: 2015-05-28  

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