10%以上の高濃度二酸化炭素の吸入による病態を幼弱ラットと成熟ラットで比較した。二酸化炭素30%で幼弱ラットの生存時間はより長く,海馬CA1の好酸性化率はより上昇した。次に呼吸中枢とされる延髄腹側中央部の遺伝子発現をマイクロアレイとリアルタイムPCRで調べた。高濃度二酸化炭素によってノルアドレナリンおよびセロトニンに特異的に関連する遺伝子の発現増加は明らかにはならなかったが,MAPKシグナルパスウェイやサイトカインのシグナルパスウェイとの関連が報告されている最初期遺伝子の発現増加が認められた。これらの発現増加は,低酸素では認められず,高濃度二酸化炭素による呼吸抑制と関連する可能性が考えられた。
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