研究課題/領域番号 |
24590877
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
江頭 正人 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80282630)
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研究分担者 |
飯島 勝矢 東京大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (00334384)
大田 秀隆 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20431869)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | サルコペニア / 異所性脂肪蓄積 / Sirt1 |
研究概要 |
サルコペニアをていする骨格筋組織においては、異所性の脂肪蓄積が特徴的に認められることが知られているが、骨格筋機能に対する意義は不明確である。われわれは、培養マウス骨格筋細胞に高濃度飽和脂肪酸(パルミチン酸)を添加することにより、Oil Red-O染色にて細胞内に脂肪がとりこまれ脂肪滴形成が生じるとともに、アポトーシスが誘導されることを見いだした。また、パルミチン酸添加により、インスリンによるAktのリン酸化反応が著明に抑制されており、細胞レベルでのインスリン抵抗性が誘導されたと考えられた。さらにパルミチン酸添加による遺伝子発現の変化をマイクロアレイ法にて検討し、2倍以上増減している遺伝子をそれぞれ304、279個同定した。なかでも骨格筋機能、サルコペニアとの関連が報告されているPGC-1alphaや細胞老化との負の制御因子であるTERTの遺伝子発現がパルミチン酸投与により低下していることを見いだした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
飽和脂肪酸添加による培養骨格筋細胞への影響をさまざまな面から検討できたことから、研究はおおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
Sirt1の遺伝子過剰発現や活性化薬により、パルミチン酸添加により誘導される細胞内脂肪酸蓄積、アポトーシス、インスリンシグナルの減弱、遺伝子発現の変化などがキャンセルできるかどうかを確認する。また、下肢懸垂や座骨神経切断による骨格筋萎縮、異所性脂肪蓄積マウスモデルをもちいて、培養細胞でみとめられた結果が、個体レベルでも認められるかどうかを検証する。また、Sirt1活性化薬投与によりそれらが改善するかどうかについても検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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