樹状細胞はその機能を発揮するためには、適切なタイミングで適切な場所へ遊走することが非常に重要であるが、これまで時空間的な樹状細胞機能に対する創薬研究は殆どない。本研究では、自己免疫疾患などに関与する形質細胞様樹状細胞の遊走能に着目し、80種類の漢方方剤含有化合物の作用を検討した。 その結果、アストロガロサイドIV、オキシマトリン、ベルベリン、クルクミン、イソフラキシディンに強力な抑制作用を見出した。さらに、アストロガロサイドIV及びオキシマトリンは古典的樹状細胞の遊走能には影響を与えず、形質細胞様樹状細胞に対する特異性が明らかにされ、自己免疫疾患に対する選択的創薬シードとなる可能性が示唆された。
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