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2013 年度 実施状況報告書

腸炎モデルマウスを用いた大建中湯の腸管免疫系への影響についての検討

研究課題

研究課題/領域番号 24590883
研究機関大阪大学

研究代表者

有光 潤介  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座助教 (60457009)

研究分担者 岸田 友紀  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20423163)
萩原 圭祐  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60423183)
キーワード大建中湯 / 漢方 / 腸管免疫
研究概要

平成20年度科研費で行った研究「NSAIDs起因性小腸潰瘍に対する大建中湯の予防効果の検討」において、大建中湯が腸管の免疫系細胞に深く関わっていることを明らかにした。その作用機序として、2つの仮説が考えられる。一つは、腸内細菌叢を変化させて腸管の免疫系細胞に影響を与える可能性、もう一つは、大建中湯に含まれる生薬が直接的に腸管の免疫系細胞に影響を与える可能性が考えられる。この仮説を証明するために、動物モデルを用いて検討する。
大建中湯に含まれる生薬が直接的に腸管免疫系にどのような影響を与えるか、DSS誘発性炎症性腸疾患モデルを用いて、腸内細菌叢、腸管粘膜を介しての腸管免疫系細胞に与える影響を検討した。使用マウス:Balb/c系雌性マウスを以下の3群に分ける。グループ1:Normal 群(水道水を自由飲水、n=5)、グループ2:(5% DSS 液を自由飲水、n=5)3日前から大建中湯(1g/kg)を経口投与する。グループ3:(5% DSS 液を自由飲水、n=5)3日後から大建中湯(1g/kg)を経口投与する。各群を8週間飼育した後、麻酔下で屠殺し検討した。
結果:便の性状は、コントロール群ではDAIスコア0、DSS投与群ではDAIスコア1、DSS投与群+大建中湯投与群ではDAIスコア0であった。大建中湯投与群と非投与群の間で、体重減少・血便・腸管の長さに有意差は認めなかった。DSS誘発性炎症性腸疾患モデルにおいて、大建中湯は統計的に有意な炎症予防効果は認めなかったため、大幅な研究デザインの変更が必要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究計画時に予想した大建中湯の効果が得られず、大幅な研究デザインの変更を余儀なくされている。

今後の研究の推進方策

DSS誘発性炎症性腸疾患モデルにおいて、大建中湯は統計的に有意な炎症予防効果は認めなかった。大建中湯は、伝統医学的は、腹満、サブイレウスのような病態に用いられてきた。寝たきりの老人の便秘にも有効であることから、腸管のエイジングに作用していることが予想される。そのため、腸管のエイジングを腸管免疫の視点で研究する予定である。腸管のエイジングの研究には、samマウスを使用する予定である。

次年度の研究費の使用計画

DSS誘発性炎症性腸疾患モデルマウスにおける大建中湯の効果が、当初予想したよりも弱いため実験計画を変更したため。
次年度に、samマウスを用いて、大建中湯が腸管免疫および腸管のエイジング対する効果を検討す。

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公開日: 2015-05-28  

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