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2012 年度 実施状況報告書

変異型アミロイドβ蓄積機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24590885
研究種目

基盤研究(C)

研究機関鳥取大学

研究代表者

和田 健二  鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (60346351)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードアルツハイマー病 / アミロイドβ / 認知症
研究概要

我々は,家族性AD家系においてAPP遺伝子異常(D678N)を発見し報告した(J Neurol Neurosurg Psychiatry. 75(7):1039-42,2004) .このAPP変異はアミロイドβ(Aβ)内部に遺伝子変異を有するため,野生型Aβとともに変異型Aβが蓄積する特異な病態が想定されている.この遺伝子変異を有する患者2症例の剖検脳を病理学的に検討したところ,病理学的にもアルツハイマー病と確定診断され,本遺伝子は家族性アルツハイマー病の原因遺伝子であることを確定した.
本研究においては,同APP遺伝子変異を有する患者由来の剖検脳や病理標本を用いて,特異な変異Aβの蓄積機構を解明する事を目的としており,変異Aβ蓄積が病気発症を来すメカニズムを解明することでアルツハイマー病の発症機構に新たな知見を与え,治療薬開発に有意義と思われる.
本年度において,脳実質内や血管内へ蓄積するAβが如何なる分子種から構成されているかの点について,野生型Aβ/変異型Aβの比率や局在,Aβ40/42分子種の比率や局在の解明を試みた.血管,髄膜,脳実質,白質を組織を分け,特異的に認識する抗体の組み合わせにより蓄積しているアミロイドβ分子種をELISA法での定量した.また,変異アミロイドβと野生型アミロイドβ蓄積の量的,質的な差異を免疫組織染色での検討すべき,変異アミロイドβを特異的に認識する抗体を作成を試みた.
.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

患者由来の凍結脳を血管と脳実質に分離したのち,それぞれTris可溶性画分および蟻酸抽出(不溶性)画分の蛋白を抽出した.予備実験においてこれらの画分について市販ELISAキットを用いて種々のAβ分子種の測定を試みた.しかし,既存のELISAキットでは野生型Aβと変異型Aβを明確に分離することができない可能性が分かった.当初想定されていた通りに測定系で結果が得られず,他の市販抗体を用いた測定系の構築,あるいは変異型Aβを特異的に認識する抗体を作成の必要性が考えられ,当初の計画より達成度はやや遅れている状態である.

今後の研究の推進方策

市販されている種々の抗Aβ抗体を認識する抗体を複数用いて,変異型Aβのみ野生型Aβのみを認識する抗原性を確認した上,ウエスタンブロット法,ELISA法,免疫組織染色をを行い,脳内,血管内の特異Aβが蓄積状態を解明する.
これらの方法が遂行上困難であれば,IP-TOF-MS法による解析も考慮する.

次年度の研究費の使用計画

本年度の研究が当初の予定した通りの結果が得られず予定より遅れている.問題解決のため新たな抗体作成や解析法変更の必要性があり当初の計画を変更した.このため次年度使用額として研究費の繰り越しが生じた.
次年度の研究費については,研究を推進するためAβ等の種々の抗体の購入・作成費,解析法の妥当性を検証するための試薬,関連蛋白測定キットあるいは実験試薬泳動槽やチップ等の消耗品に当てる.また研究を効率的に進めるため情報収集のための旅費等に使用する予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)

  • [雑誌論文] Depression and cognitive impairment in patients with mild parkinsonian signs.2013

    • 著者名/発表者名
      Uemura Y, Wada-Isoe K, Nakashita S, Nakashima K.
    • 雑誌名

      Acta Neurol Scand.

      巻: - ページ: -

    • DOI

      Acta Neurol Scand.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Autopsy-confirmed progressive supranuclear palsy with decreased uptake of metaiodobenzylguanidine.2013

    • 著者名/発表者名
      Adachi T, Kitayama M, Wada-Isoe K, Nakano T, Nakashima K.
    • 雑誌名

      Clin Neurol Neurosurg

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1016/j.clineuro.2013.01.004.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Epidemiological survey of frontotemporal lobar degeneration in tottori prefecture, Japan.2012

    • 著者名/発表者名
      Wada-Isoe K, Ito S, Adachi T, Yamawaki M, Nakashita S, Kusumi M, Hiroe Y, Takada T, Watanabe K, Hikasa C, Nakashima K
    • 雑誌名

      Dement Geriatr Cogn Dis Extra

      巻: 2 ページ: 381-386

    • DOI

      10.1159/000342972

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Prevalence of Dementia and Mild Cognitive Impairment in the Rural Island Town of Ama-cho, Japan.2012

    • 著者名/発表者名
      Wada-Isoe K, Uemura Y, Nakashita S, Yamawaki M, Tanaka K, Yamamoto M, Shimokata H, Nakashima K
    • 雑誌名

      Dement Geriatr Cogn Dis Extra

      巻: 2 ページ: 190-199

    • DOI

      10.1159/000338244

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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