研究課題/領域番号 |
24590885
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
和田 健二 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (60346351)
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キーワード | アルツハイマー傍 / アミロイドβ / タウ蛋白 / 神経変性 |
研究概要 |
我々は,家族性AD家系においてAPP遺伝子異常(D678N)を発見し報告した(J Neurol Neurosurg Psychiatry. 75(7):1039-42,2004).このAPP変異はアミロイドβ(Aβ)内部に遺伝子変異を有するため,野生型Aβとともに変異型Aβが蓄積する特異な病態が想定されて いる.この遺伝子変異を有する患者2症例の剖検脳を病理学的に検討したところ,病理学的にもアルツハイマー病と確定診断され,本遺伝子は家族性アルツハイマー病の原因遺伝子であることを確定した. 本研究においては,同APP遺伝子変異を有する患者由来の剖検脳や病理標本を用いて,特異な変異Aβの蓄積機構を解明する事を目的としており,変異Aβ蓄積が病気発症を来すメカニズムを解明することでアルツハイマー病の発症機構に新たな知見を与え,治療薬開 発に有意義と思われる. 本年度は昨年度同様に脳実質内や血管内へ蓄積するAβが如何なる分子種から構成されているかの点について,野生型Aβ/変異型Aβの比率や局在,Aβ40/42分子種の比率や局在の解明を試みた.血管,髄膜,脳実質,白質を組織を分け,特異的に認識する抗体の組み合わ せにより蓄積しているアミロイドβ分子種をELISA法での定量,変異アミロイドβと野生型アミロイドβ蓄積の量的,質的な差異を免疫組織染色での検討すべき,変異アミロイドβを特異的に認識する抗体を作成した.また,タウ蛋白抗体を用いた神経原線維変化についての検討を計画した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
変異アミロイドβを特異的に認識するペプチド抗体を作成した.それらの特性について吸収試験,結合試験等を実施し,変異アミロイドβを特異的に認識するポリクローナル抗体が複数得られた. ペプチド抗体作成に時間を要したため当初の計画より達成度はやや遅れている状態である.
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今後の研究の推進方策 |
今後,作成した抗体を用いた免疫組織染色やウエスタンブロットを行い,変異アミロイドβの特殊性を確認していくとともに,タウ蛋白抗体を用いて,アミロイドβとタウ蛋白の関連性についても検討していく.
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費は主に物品費に使用しており,研究の遂行に遅れが生じたため研究費に余剰が生じた. 次年度研究費については,研究遂行のための物品の購入にあてる.また,研究を効率的に進め情報収集のためや成果発表のための旅費等に使用する予定である.
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