研究課題/領域番号 |
24590889
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
藤本 一眞 佐賀大学, 医学部, 教授 (50181392)
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研究分担者 |
岩切 龍一 佐賀大学, 医学部, 准教授 (70232642)
戸田 修二 佐賀大学, 医学部, 教授 (80188755)
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キーワード | 中枢神経 / 小腸 / 膵臓 / 肝臓 / アポトーシス / 増殖因子 / 増殖機構 |
研究概要 |
エネルギーの摂取を中心とする生体の代謝調節においては小腸、膵臓、肝臓を中心する消化管での消化吸収機能と食欲の調節機能が大切な制御機構である。食欲の調節は中枢神経のなかでも視床下部を中心になされており,視床下部は自律神経系の制御においても重要な中枢となっている。今回は視床下部を中心とする中枢神経と小腸、膵臓、肝臓を中心とする消化管との関連を形態の維持、代謝調節機構という観点から検討した。 1)栄養素の消化吸収において重要な働きをしているのが小腸粘膜と門脈系であり,消化吸収では絨毛形態を中心とする吸収面積の維持が重要である。ラットの実験において視床下部が小腸粘膜の増殖とアポトーシスを制御しており、小腸粘膜の恒常性維持に重要であり、その制御機構に関しても明確にした。視床下部は、膵臓、肝臓の形態恒常性維持にも重要な働きをしていた。 2)小腸細胞核純化を行い,トポイソメラーゼII活性を測定するとともに、アポトーシスに関連する細胞内のシグナル伝達系について検討した。その結果、各種の増殖因子の発現との関連していることが判明した。増殖因子の発現と実際の増殖能の変化を細胞のターンオーバー、粘膜細胞のDNA合性能、ポリアミン合成の律速酵素のオルニチン脱炭素酵素活性等の検討した結果、中枢神経系の抹消組織増殖機構に及ぼす影響が明らかになった。 3)各種の脂肪摂取が消化管形態の恒常性の維持に重要な働きをしていることを明確にし、その維持機構が中枢神経系が関与していることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
In vivo 実験:自律神経系および摂食行動に関連する視床下部の諸核に液性因子の微量注入や、破壊してその影響を見た。数時間単位の急性期と1~2週間後の長期の慢性実験との両方で施行する。本年度にほぼ達成できた。視床下部等の中枢神経系が消化管の増殖・及ぼす影響を明確にし、アポトーシス、増殖因子,癌関連遺伝子との関係を含めて細胞内のシグナル伝達系の検討を施行した。 In vitro 実験:本年度には培養系細胞を利用した実験を開始した。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度25年度で in vivo の実験計画のほとんどが遂行できた。平成25年にin vitro の実験系に着手した。 in vivo の実験系で得られた結果(特に細胞内シグナル伝達系の検討)には in vitro の実験系での証明が不可欠になるものが多い。生理的条件下での実験が望ましいと考え、初代培養細胞を用いた胃粘膜細胞(Ootani A, et. al. Am. J. Pathol. 2003)、小腸粘膜細胞(Ootani A, et al. Nature Med. 2009)、肝細胞(Nakashima M, et al. Biochim. Biophys. Acta、2010),膵臓細胞(Iwakiri R, et al. Diabetes Res. Clin. Prac. 1990)の再構築に成功しており,この系を用いて in vivo で得られた実験結果の妥当性を検討した。小腸細胞に関しては、小腸幹細胞による実験系を確立しており(Ootani A, et al. Nature Med. 2009)、この方法に準じて他の組織での培養系を確立し、本実験系に応用し、その結果を解析中である。
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