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2013 年度 実施状況報告書

循環器疾患における高齢者サルコペニアの臨床的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24590893
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

石川 和信  福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (80222959)

キーワードサルコペニア / 循環器疾患 / 高齢者
研究概要

どのような循環器疾患がサルコペニアを合併しているか、サルコペニアの存在や重症度が循環器疾患の罹患に関与しているかどうかを臨床研究により横断的に調査中である。特に頻度の高い循環器疾患である慢性心不全や虚血性心疾患の重症化や心血管イベントの発生が、サルコペニアの進展に与える影響を中心に観察している。また、後期高齢者で転倒に関連することから大きな社会的な問題になりつつある高血圧合併低血圧症(血圧動揺・変動)とサルコペニアの関連を検討している。さらに、高齢者への運動リハビリテーション介入、薬物療法が、サルコペニアの予防や抑制にあたえる影響を観察している。
慢性心不全や虚血性心疾患を有する患者での検討では、大腿径、バイオインピーダンス法によりサルコペニアの程度を評価し、循環器基礎疾患の重症度、介護レベル、生命予後、QOLとの関係を検討している。また、サルコペニアの血圧動揺への影響については、24時間携帯型血圧計を用いて検討している。
実験的には、遺伝子改変動脈硬化マウスで加齢モデルを作成し、動脈硬化やAngiotensin II等とサルコペニアの病態を検討しており、特に、酸化・抗酸化関連遺伝子を中心に解析している。独自に作製したヘムオキシゲナーゼ(HO)とLDLレセプターのダブルノックアウトマウスを用いて、血管壁での遺伝子発現の変化を観察し、動脈硬化、血管内皮機能、血管壁局所の炎症への影響を検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

循環器疾患におけるサルコペニアの合併頻度、重症度評価について、患者登録を実施して登録を進めている。登録患者において、大腿径、バイオインピーダンス法によりサルコペニアの重症度を評価し、循環器疾患の重症度、介護レベル、生命予後、QOLとの関係を観察中である。また、これらの患者で、高血圧合併低血圧症(血圧動揺・変動)とサルコペニアの関連を検討するために、24時間携帯型血圧計を用いて、自由行動下血圧変化を観察している。
後期高齢者への運動リハビリテーション介入がサルコペニアの予防や抑制にあたえる影響について、短期的、中長期的に観察する体制を協力施設において整えた。心血管イベントとサルコペニアの関係の検討は観察期間が短いために今後継続していく必要がある。
ヘムオキシゲナーゼ(HO)とLDLレセプターのダブルノックアウトマウスを用いた実験的な検討を行って、動脈硬化、血管内皮機能と全身的な老化との関係を観察している。

今後の研究の推進方策

臨床的な検討については、現在の患者登録を推進することにより、加齢に伴う循環器疾患である動脈硬化性疾患と慢性心不全と全身的な老年症候群の背景となるサルコペニアとの関係性を見出していくことを目指していきたい。一方、心血管イベントや生命予後をエンドポイントとした臨床デザインでは観察期間が短期であることの影響を加味して結果を解釈するようにとらえている。
実験的な検討においては、世界中の研究機関で私共のみが保有しているHO・LDLレセプター・ダブルノックアウトマウスを使用した実験系を用いて、老化と高脂血症や高血圧との関係性について酸化ストレスを指標にしながら観察していく計画である。
基本的に当初の計画に沿って研究費を使用する。研究の最終年度に当たるため、積極的に学会発表や論文投稿を進めるための研究費を考えたい。また、研究をまとめるための情報収集についても積極的に行う。

次年度の研究費の使用計画

海外学会発表が平成25年度末から平成26年度初めにかけて実施されたため、平成25年度の予算に計上していないため。
平成25年度末から平成26年度初めにかけて実施した成果発表経費は、現在、経理申請中である。平成26年度も最終成果発表経費を見込んでいる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 高齢者の災害医療:原発事故避難と暮らし・健康・命を考える.2013

    • 著者名/発表者名
      石川和信
    • 雑誌名

      日本老年医学会雑誌

      巻: 50 ページ: 84-87

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 医学教育におけるシミュレータ活用に関する全国調査2012.2013

    • 著者名/発表者名
      石川和信、菅原亜紀子、小林元、奈良信雄.
    • 雑誌名

      医学教育

      巻: 44 ページ: 311-314

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 医療人シミュレーション教育の意義と展開2013

    • 著者名/発表者名
      石川和信.
    • 雑誌名

      患者安全推進ジャーナル

      巻: 34 ページ: 65-67

  • [学会発表] A National Survey 2012 on Clinical Skills Laboratory for Clerkship in Japan.2013

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa K, Sugawara A, Kobayashi G, Nara N
    • 学会等名
      Association of Medical Education in Europe Meeting
    • 発表場所
      プラハ、チェコ
    • 年月日
      20130824-20130828
  • [学会発表] 高齢者を対象としたスリング運動による健康維持プログラムの中長期実践の取り組み.

    • 著者名/発表者名
      石川和信, 小林元
    • 学会等名
      第55回日本老年医学会学術集会・総会
    • 発表場所
      大阪
  • [学会発表] 医学教育におけるシミュレータ活用に関する調査報告

    • 著者名/発表者名
      石川和信
    • 学会等名
      第1回日本シミュレーション医療教育学会
    • 発表場所
      新潟
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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