研究課題
今年度は超高齢者コホートの血液サンプリングおよびDNA抽出が完了し、共同研究者である英国ニューカッスル大学von Zglinick教授にテロメア長測定用のDNAサンプルを提供した。110歳以上 22名、105-1-9歳 387名、100-104名 275名、85-99歳 536名、百寿者の直系子孫およびその配偶者 167組 総計1500名を超える超高齢者DNAサンプルのテロメア長の測定がほぼ完了し、現在結果の確認のための2次測定(バッチ間誤差の確認など)を行っている。これまでNew England Centenarian Study の百寿者 32名、Ashkenazi jewの百寿者(95歳以上)86名のテロメア長測定の報告があるが、本研究ではそれらの研究をはるかに超える百歳サンプル数の測定を行っており、個体の老化と細胞老化に関する研究領域でインパクトのある知見が得られる可能性が高い。さらにテロメア長と炎症マーカー、認知機能、日常生活活動度、および生存率の関連を検討すべく、来年度以降はフォローアップ調査の継続、血液バイオマーカーの測定を継続して行う。これらのバイオマーカー測定が完了後、解析方針や論文化に向けた作業をつめる国際会議を東京で行うことが決定した。研究期間内に論文化できる見通しである。
2: おおむね順調に進展している
本研究では(現時点での)超高齢者・超百寿者の世界最大血液サンプルの確立および末梢血テロメア長の正確な測定が最重要課題である。すでに目標サンプル数を達成し、末梢血テロメア長の測定も完了している。この時点で計画の7割は完了したと考えられる。今後はデータ解析、解釈、理論構築など(サンプル収集過程に比べると)より安定した研究過程となる。そのための人的ネットワークはすでに構築されている。
今年度は炎症性マーカー、酸化ストレスマーカーの追加測定、縦断調査の血液生化学検査の追加を行い、超高齢者データベースを完成する。そのうえで以下の点を行い、末梢血テロメア長と健康長寿がいかなるメカニズムを介して関連するか、解析を行い、論文発表する。この作業は共同研究者との緊密な連携が不可欠で、そのためにニューカッスル大学チームが来日することが決定している。1.末梢血テロメア長と健康寿指標(生命予後、ADL,認知機能、慢性疾患)との関連の検証2.末梢血テロメア長と血液バイオマーカー(炎症マーカー、心血管疾患危険因子、貧血、免疫マーカー)の関連の検証
一部バイオマーカー測定のための検体採集が遅れたため。次年度に使用する予定は立っています。次年度の研究費と合わせて血液生化学測定費に用いる(1千円@50名分x消費税)。
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