研究課題/領域番号 |
24590901
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
鷲澤 尚宏 東邦大学, 医学部, 准教授 (10297707)
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研究分担者 |
大嶋 陽幸 東邦大学, 医学部, 助教 (00424705)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 経皮内視鏡的胃瘻造設術 / 嚥下機能 / 経管栄養 / 経鼻胃管 |
研究実績の概要 |
嚥下障害が疑われる脳血管障害患者において経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy : 以下PEGと略記)の際に同時に行う簡易嚥下内視鏡検査(Endoscopic swallowing study and gastrostomy 以下ESSGと略記) を行い、リハビリテーションの効果が現れやすい症例がどのような特徴を持っているかを検討している。 検査嚥下食を用いない基礎的観察項目を用いたESSGによってはじめて経口摂取の可能性が発見され、リハビリテーションによって経口摂取可能となる症例が存在することが判明し、早期診断によって廃用性嚥下機能障害を防止することができることが示された。 データの蓄積を続行中であるが、年間約120例のPEG症例のうち、本研究の対象となり得る症例は予定よりも少なく、初年度の目標であった30例を大きく下回ったため、平成24年度にデータを収集する予定であった内容を平成27年度まで継続している。ESSGを行うには検査者の指示が入る必要があるが、疎通が困難な症例においても経管栄養の適応となる症例は多く存在するため、研究の対象を広げ、経鼻胃管から胃瘻へ移行することの意義を検討することとした。 指示に従う方法であるESSGでは有効なPEGの判定は困難であると判断し、意識レベルの低い症例で行われたPEGの有効性と胃瘻による経管栄養の意義を生体への侵襲反応と酸化ストレスの状態で判定する方法へ変更し、データ収集中である。これによって、意識のある脳血管障害患者のリハビリ効果をPEG時に判定し、一方でPEG時に意識がない患者においてもPEGによる経管栄養がガイドライン通り有効であるか否かを検証できるところまで到達できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
年間約120例のPEG症例には脳血管障害以外に脳腫瘍や外傷、頭頸部癌、食道癌が存在するが、脳血管障害患者においては意識レベルの低い患者が多く、初年から対象症例の不足が始まっていた。平成24年は、社会的変化があり、適応があるにもかかわらず、胃瘻造設を拒否する患者が現れ、症例数の不足があった。平成25年度にはやや増加したがそれでも意識のある症例は少なく方針の変更を検討した。 本研究の対象となり得る意識のある症例はESSGを行う際に検査者の指示が入る必要があるが、多くの症例ESSGを行うことが困難であり、初年度の目標であった30例を大きく下回ったため、平成24年度にデータを収集する予定であった内容を平成27年度まで継続している。 ESSGでの検討を達成するためには研究年数の延長が必要であるが、現状での方針の変更も必要であると判断した。対策として疎通が困難な症例においても経管栄養の適応となる症例は多く存在するため、研究の対象を広げ、経鼻胃管から胃瘻へ移行することの意義を検討することとした。
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今後の研究の推進方策 |
対象を広げ、研究法を変更することで平成27年度は症例数が増加している。意識の有無にかかわらず経鼻胃管での経管栄養による生体へのストレスと胃瘻造設後の生体へのストレスを比較検討し、胃瘻造設の意義について検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の初年度から対象症例が不足し、研究方針の検討を行い、その結果平成26年度から対象が増加した。検討課題である嚥下機能検査に使用する色素は購入済みであるが、酸化ストレスマーカーである、尿中8-OHdGの測定試薬は使用期限があるので、測定日近くの購入となる。研究期間の延長を行い、試薬の使用が増加する予定である。得られた結果は学会で発表し、論文化する予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度で検査試薬を購入する費用に支出予定で、研究を終了し、得られた結果は学会で発表し、論文化する予定である。
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