研究課題
昨年度本研究計画において、慢性腎臓病(CKD)モデルラットが、ヒトCKD患者同様正球性正色素性貧血を呈すこと、血中鉄濃度が正常ラットに比べ低下することを見出した。そして、このモデルラットの鉄代謝調節機構の発現を検討したところ、肝臓におけるヘプシジン発現は正常ラットと同程度との結果を得た。生体内鉄代謝調節機構の中心的役割を担っているヘプシジンは肝臓より合成されることが報告されている。しかし、他臓器におけるヘプシジン発現や役割は解明されていない。本研究を進める中で、CKDモデルラットや高血圧モデルラット心臓におけるヘプシジン発現が正常ラットに比し亢進していることを見出した。さらに、ラット培養心筋細胞を用いた検討において、ヘプシジンが心肥大に関与していることを見出した。ヒト心不全患者における臨床研究においては、心不全患者は鉄欠乏の割合が多く、その原因として鉄吸収能の低下を見出した。
3: やや遅れている
心不全・CKD患者を対象にした臨床研究を計画しているが、対象患者のエントリーが想像以上に困難なため臨床研究の実行が遅れている。また、遺伝子組み換え動物を用いた基礎研究を計画しているが、遺伝子組み換え動物が想像以上に繁殖されず、研究の実行が遅れている。
臨床研究がスムーズに推進できるように対象患者の選択・召集につとめ、臨床研究が推進するように努力する。また、遺伝子組み換え動物の繁殖を促し、予定の基礎研究が推進するように努力する。
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International Journal of Cardiology
巻: 172 ページ: e45-7
10.1016/j.ijcard.2013.12.067.