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2012 年度 実施状況報告書

プロテオミクスによる大脳白質病変の新たな危険因子の探求

研究課題

研究課題/領域番号 24590909
研究種目

基盤研究(C)

研究機関独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部)

研究代表者

高島 由紀  独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 生化学研究室員 (70576404)

研究分担者 八尾 博史  独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部), その他部局等, その他 (20265010)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードプロテオミクス / SELDI-MS-TOF / ProteoMiner / 大脳白質病変
研究概要

1. 目的大脳白質病変は高齢者において認知機能低下を引き起こすがこれまでその成因や危険因子に関しては不明な点が多く、一次予防を困難にしている。本研究の目的は、質量分析計を用いたプロテオミクスにより網羅的に白質障害に関与する血中タンパクを検索することである。2.対象と方法1)対象は佐賀県脊振町在住の健常高齢者270名である。受診者に対し一般血液検査およびプロテインチップ解析のための採血を行う。この血液サンプルを用いて、Surface-enhanced laser desorption/ionization time-of flight mass spectrometry(SELDI TOF-MS)による網羅的解析を行う。症例対照研究のデザインで、年齢、性別、高血圧の頻度を一致させて両群を比較し、白質病変群に特有のタンパクピークを見出す。2)方法: (1) プロテインチップによる解析( SELDI-TOF-MS)
血清サンプルは、イオン交換チップにのせた後、エネルギー吸収剤のシナピン酸を添加しマトリックスを形成させる。調整したチップはSELDI本体に挿入し、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法により飛行時間測定により質量分析を行う。2つの内部標準雄により目的とするピークを挟み込み、より正確な分子量をもとめる。(2) 血中タンパクの濃度差軽減法(ProteoMiner)今回新たに導入したProteoMinerはあらかじめ調整したビーズに血清を加え、ビーズに結合していないタンパクを除去するためリン酸バッファーで4回洗浄し、ビーズに結合したタンパクはキットに付属する4つの異なる溶出試薬を用いてタンパク分画を溶出させるものである。溶出後(1)により測定を行う。3. 結果3回の測定を行い、コントロール群白質病変群間で差として認められる可能性のある複数のピークを認めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度はコントロール群は平均年齢69歳、男性:女性2:10、高血圧9例であった。白質病変群は、Fazekas分類grade2-3、平均年齢69歳、男性:女性2:10、高血圧9例だった。コントロール( C群 )12例,  白質病変例( W群 )12例. それぞれ40ulずつ採取し混合し計480ulとした。  この12例の血清サンプルを用いて、ProteoMiner技法で溶出条件を変え1サンプルから4種ずつ計16サンプルを得た。これらをCM10、pH4の条件でSELDI-TOF-MS測定を行った。結果は、縦軸を信号強度、横軸をタンパク分子量として作図した。3回の測定を行い、コントロール群白質病変群間で差として認められる可能性のある複数のピークを認めている。以上の通り、実験は順調に進展しており今年度中白質病変群に固有のタンパクピークを見出し分子量を測定し来年度のタンパクのペプチド配列につなげたいと考えている。

今後の研究の推進方策

2年目以降は見出したタンパクのピークにつき内部標準を用いて正確な分子量を測定し、データベース検索から候補タンパクの見当をつけ、最終的にはペプチド配列を決定しタンパクを同定する。必要に応じてマトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)によりペプチド配列を決定する。ペプチド配列決定と同時に正確な定量性が必要となった場合は質量タンパク標識試薬であるiTRAQ試薬を用いた定量解析を行うが、この場合は外注が必要である。研究成果は、国内国際学会で発表し、平成26年度中に論文化して投稿し、国際誌への掲載を目指す。

次年度の研究費の使用計画

タンパク同定の費用75万6千円国際学会での発表の旅費24万8千円テクニシャンへの謝金39万6千円、直接経費計140万円。間接経費42万円 計182万円と見込んでいる。

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公開日: 2014-07-24  

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