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2012 年度 実施状況報告書

器官形成因子制御機構を背景とした幹細胞ニッチ異常による胃発癌浸潤メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 24590911
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岐阜大学

研究代表者

富田 弘之  岐阜大学, 医学系研究科, 助教 (50509510)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード消化器 / 癌 / 増殖因子
研究概要

1. ヒト胃、膵症例での炎症・癌におけるFGF10免疫組織染色を行い、発現や局在を検討した。胃炎や膵炎では間質のみならず、上皮細胞も発現していることがわかった。特に慢性膵炎では残存した腺房細胞やランゲルハンス島細胞で高発現し、上皮の再生に関与していることが示唆された。胃癌においては、120例中75例(62.5%)で腫瘍細胞での発現がみられた。また、小から中型の腺管を形成する中分化腺癌21例中では、15例(71.4%)が発現を認めた。現在、さらに他臓器でも検索中である。
2. FGF10のin vivoでの機能的な解析を行うため、BAC (Bacterial Artificial Chromosome) recombineering 技術を用い、FGF10 GFPレポーターマウスを作製した。正常肺ではほとんど発現がみられなかったが、肺炎を誘発すると、急性期にはGFP陽性細胞はみられないものの、回復期においてGFP陽性細胞の発現がみられた。
3.ドキシサイクリンの投与により(Tet-on system)、FGF10の発現を制御可能なFGF10 inducible ES細胞を作製した。奇形腫を作り、FGF10強制発現による組織分化を調べると、腺管への著明な分化を示し、さらに伸長や分岐がさかんであった。さらに、このES細胞からキメラマウスを作製し、Dox-inducible Fgf10強制発現マウスを得た。現在、解析中。
これらの結果より、FGF10には、炎症・癌による組織破壊や破綻から上皮、とりわけ腺上皮の再生を促す働きがあるのではないかと考えられた。今後、上記のマウスを用い、炎症・発癌実験を進めて行く予定。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.予定していた3種類の遺伝子改変マウス(Fgf10 GFP レポーターマウス、Dox-inducible Fgf10 transgenicマウス、fgf10 flox/flox マウス)の作製は予定どおり作製できた。
2. ヒト標本(胃癌)でのFgf10の免疫染色は終了できた。
3. 癌細胞株の実験がうまくいかず、遅れている。

今後の研究の推進方策

今年度(H25)はマウスの
1.作製した3種類の遺伝子改変マウス(Fgf10 GFP レポーターマウス、Dox-inducible Fgf10 transgenicマウス、fgf10 flox/flox マウス)を用い、炎症・発癌モデル実験を行う。
2.ヒト標本(胃癌)での免疫染色を幹細胞マーカーDCAMKL1などを行う。FGF10染色と比較解析する。
3.遅れている癌細胞株の遺伝子組み換えを重点的に行う。

次年度の研究費の使用計画

培養、マウスの組織作製、免疫染色、抗体、DNA/RNA抽出等ほぼ消耗品に当てる予定。次年度(平成25年度)使用額(431,350円)は、新たな遺伝子改変マウスの作成がやや遅れているためで、次年度(平成25年度)使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Expression and roles of FGF10 in the progression of gastric cancer2012

    • 著者名/発表者名
      富田 弘之
    • 学会等名
      第71回 日本癌学会学術集会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20120919-20120921

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公開日: 2014-07-24  

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