研究課題/領域番号 |
24590924
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
岡本 泰幸 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (60444973)
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研究分担者 |
林 香月 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00405200)
澤田 武 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60345626)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | GIST / DNA methylation |
研究実績の概要 |
前向き試験に関しては症例集積中である。研究課題の1つであるGISTのDNAメチル化と悪性度の関連に関する機序に関して極めて重要な報告があった。KITやPDGFRの遺伝子変異を伴わないGISTに関して mitochondrial succinate dehydrogenase (SDH)の変異による機能欠損を認める、そしてSDHの機能欠損により、DNAのメチル化が蓄積されるという報告である。そこで、Gene Expression Omnibusの450Kイルミナメチル化アレイのデータ(GSE34387)を解析した。使用したデーターはSDH正常GIST45例、SDH欠損GIST25例、正常腸管筋層7例であった。すべての症例を使用しのメチル化アレイデータでunsupervised clustering analysisを施行したところ、SDH欠損GIST群とそれ以外の2群に分類された。SDH欠損GIST群では明らかにDNAメチル化の蓄積をみとめ、すべての例でREC8、PAX3はメチル化されていた。次にSDH正常GISTと正常筋層を用いてunsupervised clustering analysisを施行したところ2群に分類された。このとき11例GISTは正常筋層と異なるclusterに分類され、11例中7例でREC8もしくはPAX3のメチル化を認めた。一方、正常筋層と同様のclusterでは、40例中1例のみでPAX3のメチル化を認めた。したがって、PAX3とREC8のメチル化レベルはSDH欠損に起因するDNAメチル化異常だけでなく、SDH正常GISTでのDNAメチル化異常をも反映すると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
症例蓄積に関しては遅れているが、GISTとDNAメチル化異常の関連に関しては順調に進んでいると考える。
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今後の研究の推進方策 |
詳細な臨床情報有する代表者の実験から得られたデータとGEOなどのデーターベースを関連付けて解析しより詳細なメカニズムを解明する。
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次年度使用額が生じた理由 |
症例の集積が遅れており、延長申請をし、継続してデータの解析等をする必要があるため。
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次年度使用額の使用計画 |
引き続き症例の集積を行い、現在解析中のデータとも合わせて必要におおじてexpression probe、抗体の購入をする。
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