研究課題
イルミナ450Kアレイのデータ (GSE34387) を使用しSDH欠損GISTで特異的にメチルを認める遺伝子群をgene set analysisを施行し特徴を検討した。このとき正常筋層で既知の腫瘍抑制遺伝子のβ値を参考にして、β値が0.2以下をメチル化なしと定義した。したがってSDH正常GISTと正常筋層でβ値が0.2以下かつSDH欠損GISTで有意(p-value<0.01)にβ値が増加しているものを対象遺伝子群とした。パスウエイ解析ではGタンパク質共役受容体(q-value=1.74e-06)とPI3K / Akt シグナル伝達系(q-value=8.85e-06)が有意で上位にあげられた。共に発癌との関連が深い系であるが、PI3K / Akt シグナル伝達系はKITの下流であり、KIT変異を認めないGISTの悪性化の機構として考えられる。次にPAX3、REC8、P16で悪性度が高いと診断されるGISTでの悪性化の機所を検討するためexpression array(GSE47911)のデータを使用して、トランスクリプトーム解析を施行した。マーカー陰性GISTに比較してマーカー陽性GISTで有意(p-value<0.01)にメチル化が高い遺伝子群の発現に注目し、これらの遺伝子の発現が総じて高いものを予後良好GIST、発現低下が確認されるものを予後不良GISTと分類した。2群間で有意(p-value<0.05)にmRNAの発現に違いのある遺伝子群を選択し、gene set analysisを施行した。パスウエイ解析ではGタンパク質共役受容体関連が複数 (p-value: 8.15e-05~3.26e-03)、そしてWNT、MAPキナーゼなどが有意差をもって同定された。
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Endoscopy
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