microRNAによる転写後の遺伝子発現制御が注目されている。癌抑制遺伝子や癌遺伝子の転写後発現調節にもmicroRNAの関与が報告されている。分化型胃癌とその前癌病変である腸上皮化生粘膜におけるmicroRNAの発現の変化を明らかにすることは発癌メカニズムの解明に加え、診断・治療においても重要な意義をもつ。われわれが作製した腸上皮化生のモデル動物であるCdx2トランスジェニックマウスの腸上皮化生粘膜と胃癌におけるmicroRNAの発現プロファイリングをマイクロアレイ解析ですでに行い、有意に増減しているmicroRNAを明らかにしている。増減の明らかになったmicroRNAの観点から、腸上皮化生から発癌への関係を明らかにすることを研究目的とする。
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