研究課題/領域番号 |
24590930
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
堀江 泰夫 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30282164)
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研究分担者 |
大西 洋英 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00313023)
大嶋 重敏 秋田大学, 医学部, 講師 (50375268)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / クローン病 / マウスモデル / イノシトールリン脂質 |
研究概要 |
1 Vil-Cre Tg-Pipk IIIflox/flox(Pipk III KO)マウスとPipk IIIflox/flox(対照)マウスおよびVil-Cre Tg-Vps34flox/flox(Vps34 KO)マウスとVps34flox/flox(対照)マウスの同腹仔コホートの作製を軌道にのせ、これらのマウスの大腸および小腸から免疫染色、透過電子顕微鏡による観察を前提としたサンプルの調整と大腸、小腸粘膜由来蛋白とRNAの精製を行った。 2 Creリコンビナーゼの発現部位でEYFP蛍光がみられるstopflox/fox-EYFPレポーターマウスをPipk III KOマウス、Vps34 KOマウスと交配してPipk III KO-stopflox/flox-EYFPマウス、Vps34 KO-stopflox/flox-EYFPマウスを作製し、PIPK III蛋白質、Vps34蛋白質欠損腸上皮細胞を可視化できる生体システムの構築を終えた。 3 GFPを標識したオートファゴゾームマーカーLC3を発現するGFP-LC3 TgマウスをPipk III KO、Vps34 KOマウスと交配して、Pipk III KO-GFP-LC3 Tgマウス、Vps34 KO-GFP-LC3 Tgマウスを作製し、Pipk III KOマウスとVps34 KOマウスの大腸および小腸上皮細胞におけるオートファゴゾーム形成の可視化に成功した。 4 Pipk III KOマウスとその対照マウスの大腸粘膜から精製したRNAをテンプレートにしたマイクロアレイを行い、Pipk III KOマウスの大腸粘膜ではTh1、Th17サイトカインと線維化、上皮間葉転換関連分子の発現増加がみられることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に入力した「研究目的」を達成するために必要な平成24年度研究計画のほぼ80%にあたる項目を、上記の「研究実績の概要」に記載したように実施した。
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今後の研究の推進方策 |
Pipk III KOマウスとVps34 KOマウスの腸管にみられる炎症が下記のメカニズムに起因して発症する可能性を検証する。 1 腸上皮細胞におけるオートファジー障害に起因したインフラマゾームの活性化。 2 腸上皮細胞におけるTLR、NODなどの細菌受容体を介したNFκBの活性化。 3 腸上皮細胞のアポトーシス亢進に基づく自己免疫異常。 4 腸内共生菌や腸管内抗原の粘膜内への易侵入性。 また、Pipk III KOマウスの腸管にみられる線維化が、Pipk III KO腸上皮細胞の上皮間葉転換ポテンシャルの増加に起因していることを確認する。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記の推進方策を実施するにあたり不可欠となるウエスタンブロットや免疫染色を行うための抗体、RT-PCRの際に必要な逆転写酵素、Taqポリメラーゼや蛍光標識デキストラン、shRNAの購入とPipk III KOマウス、Vps34 KOマウス、Pipk III KO-stopflox/flox-EYFPマウス、Vps34 KO-stopflox/flox-EYFPマウス、Pipk III KO-GFP-LC3 Tgマウス、Vps34 KO-GFP-LC3 Tgマウスの維持、管理費として研究費を使用させて頂きたい。
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