選択的スプライシング因子SRSF3をノックダウンすると、p53活性化因子HIPK2の新規isoform(HIPK2-Δ8)が誘導され、細胞周期が停止し、アポトーシスが誘導された。HIPK2-Δe8を大腸がん細胞株HCT116に過剰発現すると細胞周期制御因子やアポトーシス制御因子の発現が変動した。また、HIPK2ファミリーはヘテロクロマチン構成因子HP1γと結合し、これをリン酸化することでクロマチンリモデリングを促進し、DNA修復を制御することが明らかとなった。以上のことから、HIPK2は大腸がん細胞株でクロマチン構造制御を介して広範囲の遺伝子発現を制御している可能性が示唆された。
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