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2013 年度 実施状況報告書

腫瘍壊死因子前駆体と産生酵素に介在する膜蛋白機能解析と新規抑制法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24590949
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

城 卓志  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30231369)

研究分担者 谷田 諭史  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30528782)
キーワード炎症性腸疾患 / TNF-α / ADAM17 / ARP36-2 / 新規治療ターゲット
研究概要

【目的】炎症性腸疾患は、遺伝的背景や外的因子に対する過剰免疫反応が腸管粘膜障害を起こす。TNFαはその病態において中心的役割を果たす。抗TNFα抗体治療は有効な治療であるが、無効例や二次無効が存在する。膜結合型TNFαはADAM17により可溶型TNFαに切断・放出される。ADAM17が放出するタンパクは2型膜蛋白のAmphiregulin(AR),HB-EGFなどがある。ARP36は、ADAM17によるAR,HB-EGFの放出を制御する。今回、単球細胞、大腸上皮細胞に発現しているARP36-2に着目し、TNFα放出制御機能について検討した。
【方法】大腸上皮細胞株(HCT116,HT29)単球細胞株(U937)を使用した。ADAM17とARP36-2との結合を確認するために抗ARP36-2抗体で免疫沈降後、抗ADAM17抗体にてwestern解析した。TNFα,EGFリガンド放出測定系確立のため、Alkaline phosphatase(AP)標識TNFα,AR,HB-EGF前駆体蛋白強発現細胞株を樹立した。IL-1β,TPAで刺激後上澄中のAP活性を測定した。さらに、ADAM阻害剤(KB-R7785),ARP36-2 si-RNAによりARP36-2蛋白を欠失後、AP活性を測定した。ELISAでもTNFα放出を直接測定した。
【結果】免疫沈降によりADAM17とARP36-2は結合した。APアッセイにおいてIL-1β,TPA刺激後TNF-α放出が確認された。その活性上昇は、ARP36-2 siRNA,KB-R7785前処置により有意に抑制された。AR,HB-EGF放出は、ARP36siRNA前処置により促進した。
【結語】ARP36-2阻害は、炎症を抑え、増殖・修復効果を促進する新たな治療戦略になりうる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまでの細胞を使用した実験において、ADAM17とARP36-2は結合を確認し、siRNAによりARP36-2欠失することによりTNF-α放出にARP36-2が関与していることを確認した。次に、in vivoでのARP36-2蛋白の腸炎発症、増悪への関与を検討するため、ARP36-2遺伝子ノックアウトマウス(ARP36-2-/-)の作製を行っているが、ARP36-2遺伝子ヘテロマウス(ARP36-2+/-)マウスまでは作製が済んでいるものの、ノックアウトマウスが完成まで至っていない。

今後の研究の推進方策

ARP36-2遺伝子ノックアウトマウス(ARP36-2-/-)の作製および腸炎モデルにおける炎症評価を行う。
現在、ARP36-2遺伝子ヘテロ(ARP36-2+/-)マウスまでは作製済であるが、ホモノックアウトマウスの作製に時間がかかっている。ノックアウトマウスが完成できれば、腸炎モデルにおいて腸管炎症のは発祥の有無や程度を野生型マウスと比較検討していく。

次年度の研究費の使用計画

ARP36-2遺伝子ノックアウトマウス(ARP36-2-/-)の樹立に際し、城、谷田(分担者)、大学院生(協力者)で行う予定であったが、教育および診療業務が建込、予定より遅れをとっている。また、ARP36-2遺伝子ヘテロマウス(ARP36-2+/-)マウスからノックアウトマウス(ARP36-2-/-)までの過程で、ヘテロマウスが妊孕性が乏しく子供を産まず、ARP36-2遺伝子ノックアウトマウス(ARP36-2-/-)の作製に時間がかかっている。
平成25年度計画していた研究を人員(大学院生)を増やし早急に進め、研究遂行に努めたいと思う。また、繰り返しARP36-2遺伝子ヘテロマウス(ARP36-2+/-)マウス作製を行い、妊孕性の高い系のヘテロマウスの樹立を目指している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Annexin A2 regulates a disintegrin and metalloproteinase 17-mediated ectodomain shedding of pro-tumor necrosis factor-α in monocytes and colon epithelial cells2013

    • 著者名/発表者名
      Tsukamoto H1, Tanida S, Ozeki K, Ebi M, Mizoshita T, Shimura T, Mori Y, Kataoka H, Kamiya T, Fukuda S, Higashiyama S, Joh T.
    • 雑誌名

      Inflamm Bowel Dis.

      巻: 19 ページ: 1365-73

    • DOI

      doi: 10.1097/MIB.0b013e318281f43a.

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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