研究課題/領域番号 |
24590956
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 晴彦 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60240305)
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研究分担者 |
大塚 基之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90518945)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | microRNA / インターフェロン / エピジェネティクス |
研究概要 |
IFNシグナルの増強効果をもたらすmicroRNAの同定を目的として、microRNA library を用いた IFNシグナルを制御するmicroRNAを同定した。IFN sensitivity response element (ISRE)にluciferase遺伝子を連結したレポーターコンストラクトを恒常的に発現する細胞を樹立した。これを用いて、800種のmicroRNAそれぞれを 96-well plate でreverse transfection し、IFN刺激のうえluciferase activity の変化を検討した。その結果、microRNA122を含む数種のmicroRNAが 強くIFNシグナル作用を抑制することを同定した。そこで、レンチウイルスを用いたmicroRNA122機能的ノックダウン細胞株の樹立を試みた。肝細胞特異的microRNAであるmicroRNA122に対するanti-sense配列RNAを発現するレンチウイルスを作製し これを肝細胞株に感染させmicroRNA122の機能をノックダウンしたstable cell lineを樹立した。microRNA122の機能については luciferase 遺伝子の下流5’UTRにmicroRNA122の標的配列を組み込んだレポーターコンストラクトを作製し定量することにより確認した。コンピューターサーチによるmicroRNA122の直接の標的候補因子群にはIFNシグナル系に関与することが予想される遺伝子は見られないため、他の機序を介してIFN作用を制御している可能性が考えられた。そこで上述のノックダウン細胞を用いて、まずエピジェノミックの変化、特にDNAのメチル化状態の変化をIllumina社のBeadchipを用いてゲノムワイドに検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
IFNシグナルを増強するmicroRNAの検索のために当初の計画の通りreporter cell line を樹立し、それとmicroRNA library の発現を用いることで、IFNシグナルを抑制するmicroRNAとしてmicroRNA-122を同定しえた。その結果、今後 目的達成のための研究のターゲットとしてmicroRNA122を中心に検討する方針がたった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に同定したIFNシグナルを抑制するmicroRNAとしてmicroRNA122を同定したため、今後は逆にmicroRNA122の機能を落とすことでIFNシグナルを増強しHCV駆除作用を増強できるか検討する。さらにその機構を明らかにして ウイルス駆除の新しい方法を確立する。
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次年度の研究費の使用計画 |
引き続きin vitroでの検討をするための分子生物学的検索のための消耗品費が中心となる。また、ゲノムワイドのメチレーション変化の検索のためのアレイのための費用を計画する。
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