研究課題
。microRNA libraryを用いてIFNの作用を変化させるmicroRNAをスクリーニングしたところ、microRNA122がIFNシグナルを強く抑制することをみいだした。さらにmicroRNA122の機能的ノックアウト状態では、網羅的解析の結果、IFNシグナルの抑制因子であるSOCS3のプロモーターが強くメチル化されていた。これらの予備的結果をふまえて、本研究では、「microRNAによって惹起されるepigenomicな変化を介したIFNシグナル制御機構」の詳細を解析し、それをもとに、IFNによる抗ウイルス作用の増強法を開発することを目的とした。そこで、IFNシグナル作用に影響を与えるmicroRNAを同定するために、IFN sensitivity response element (ISRE)にluciferase遺伝子を連結したレポーターコンストラクトを恒常的に発現する細胞を樹立した。これを用いて、800種のmicroRNAそれぞれを 96-well plate でreverse transfection し、IFN刺激のうえluciferase activity の変化を検討したところ、microRNA122を含む数種のmicroRNAが 強くIFNシグナル作用を抑制することを同定した。microRNA122はコレステロール合成系や体内時計にも関与していることが報告されているが、これらの表現型に関わると思われる遺伝子もmiR122の直接標的としてはコンピューターサーチでは見られない。そこで、これらの表現型にはmicroRNAの既知の作用である「標的遺伝子の3‘UTRとの一部相同性を介した蛋白翻訳抑制」以外の機序を介している可能性があると考え、まエピジェノミックの変化、特にDNAのメチル化状態の変化をIllumina社のBeadchipを用いてゲノムワイドに検討したところ、IFNシグナルに関与するSOCS3のメチル化状態が大きく変化することを同定した。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件)
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