研究課題
研究代表者らは、高度に濃縮されたマウス初代肝幹細胞分画を用いて、分化誘導培養系とレポーター遺伝子を利用し、肝幹細胞の分化決定及び終末分化に関与する分子機構を網羅的に解析し、その結果を踏まえ、特定の標的分子の発現を調節して移植細胞の分化方向と分化段階を調節し、移植の効率が最適化される「分化度」を決定することを目的とする研究を行い下記の成果を得た。1. マウス肝幹・前駆細胞の分離、培養、in vitroでの形質解析(柿沼):研究グループではマウス初代肝幹/前駆細胞を濃縮し分化誘導すると共に形質を解析した。その結果、Wnt5aが門脈周囲の肝幹・前駆細胞による胆管形成を抑制的に制御し、その標的因子としてCaMKIIを同定し(Hepatology 2013)その結果に基づき、CaMKIIαとCaMKIIβの活性化動態を評価して報告した(第21回肝細胞研究会で発表)2. レポーター遺伝子を用いた分化段階の均質化とcDNA microarray解析(柿沼)肝細胞系譜、もしくは胆管細胞系譜に特異的なレポーター遺伝子を導入しcDNA microarray解析を行った結果、MMP-14を因子の一つとして同定した。3. cDNA microarray解析結果のvalidation(柿沼・朝比奈)分化決定因子による分化調節機構の解析(柿沼・渡辺) :抽出したMMP-14について解析を進め、MMP-14は胆管形成を正に制御していることを示し、発表した(AASLD 2014にて発表)。4. ApoE欠損マウスをレシピエントとしたマウス肝幹・前駆細胞移植後の細胞動態の解析(柿沼・朝比奈)致死的肝不全モデルによる細胞移植治療効果の検証(柿沼・渡辺):移植系を用いてMMP-14が移植効率を正に制御することを示し、次の研究課題に引き継いで継続する方針とした。
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