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2013 年度 実施状況報告書

加齢による肝疾患の病態制御の分子基盤の解明―特にSIRT1の機能解析―

研究課題

研究課題/領域番号 24590968
研究機関三重大学

研究代表者

白木 克哉  三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90263003)

研究分担者 杉本 和史  三重大学, 医学部附属病院, 講師 (60378370)
内田 和彦  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90211078)
キーワード加齢 / 老化 / SIRT1
研究概要

加齢に伴う遺伝子としてSIRT1の関与をあらゆる角度から確認した。
SIRT1の肝細胞癌に与える影響を検討するため、肝細胞癌細胞株であるSK-Hep1を用いた。SK-Hep1にSIRT1のShRNAベクターを導入し、安定発現株を作成した。SIRT1 ShRNAによりSIRT1遺伝子の発現は20~30%にノックダウンされ、SIRT1タンパク質の発現も低下を認めた。これらを用いてSIRT1の細胞増殖に与える影響を調べたところ、SIRT1の抑制により、SK-Hep1の増殖が抑制されることが確認された。細胞増殖の原因を特定するために細胞周期の検討を行ったが、SIRT1の抑制と細胞周期の関連性は見いだされなかった。次に、SIRT1の抑制により抗癌剤の効果に影響がでるか検討を行った。5-FUとシスプラチンを用いて検討を行ったが、これらの抗癌剤の効果はSIRT1の抑制で変化は認められなかった。腫瘍特異的にアポトーシスを惹起するとされているTRAILを用いて検討を行ったところ、SIRT1の抑制によりTRAILの効果が増強されることがわかった。
正常肝臓におけるSIRT1の効果を検討するために、肝臓特異的にSIRT1をノックダウンするモデルをマウスで作成することとした。肝細胞のみに発現するアルブミンプロモーターとCre遺伝子の融合遺伝子を導入したマウスと、SIRT1のExon4の両端にlox配列を導入したマウスを準備し、これらを交配することで肝臓特異的にSIRT1がノックアウトされる。
作成前準備をおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

老化に関する遺伝子の網羅的解析に関しての解析が遅れている。莫大な遺伝子の解析が必要であり方法論で行き詰まっている。しかし、その中でSIRT1遺伝子の重要性を確認している。SIRT1の機能解析に関しては様々な角度から確認中であり、成果が期待できる。ノックアウトマウスの作成に関しても遅れてはいるが順調にすすんでいる。

今後の研究の推進方策

加齢によって変化する分子の同定 最新のDNAメチル化アレイによりまず加齢に伴うDNAメチル化を網羅的に解析し、データベースなどにてその標的分子を探索する。さらに、最新のDNAアレイ解析により、遺伝子発現差のデータベースを構築して、DNAメチル化により発現に影響を受ける遺伝子群を同定する。その結果を解析し、加齢により変化する分子群、またシグナル経路などを明らかにする。また蛋白レベルの解析および修飾はプロテオミクス手法を用いて解析する。最終的に加齢をつかさどる責任分子を同定する。
現在、マウスの交配を重ね、Cre遺伝子と、lox配列をホモ接合で持った系統を作成した。これらのマウスでは肝臓においてExon4が欠損したSIRT1を発現しており、SIRT1がノックダウンされていると考えられる。今後、これらのマウスを用いてSIRT1の肝臓における機能を検討していく予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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