研究課題/領域番号 |
24590969
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
山本 憲彦 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (60501963)
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研究分担者 |
杉本 和史 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (60378370)
白木 克哉 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90263003)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | NASH / バイオマーカー / 質量分析 |
研究概要 |
近年、病態プロテオミクスにおける血中ペプチドの重要性が明らかになってきている。病態の局所環境においては、数々のプロテアーゼによって特に細胞内や細胞外のタンパクを分解し、低分子量のタンパクを多数分泌や産生をしており、いわゆるペプチドームの産生源となっている。また、糖鎖やリン酸化などのタンパク修飾なども特異的にみられる。そこで本研究では、近年増加しているメタボリック症候群の一表現型と考えられる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD/NASH)を対象にして、血液中、組織中ペプチドミクス解析により、特に代謝関連分子に着目して、新たなNASH進展の責任分子を探索する。最終的に病態進行の責任分子、分子標的を探索し臨床応用することを目的とする。 Pooled sampleを用いてNASH特異的な新規バイオマーカー候補同定を試みた。方法は、iTRAQ法を用いて行った。その原理は、各検体に含まれるすべてのペプチドをそれぞれ異なるiTRAQ reagentでラベルし、すべての検体を等量で混合し、質量分析により各ペプチドのそれぞれの検体における発現比率を測定し、NASHにおいて疾患特異的に増加しているペプチドを探索するものである。これにより、serotransferrin peptide1、serotransferrin peptide2、S5A3、MUC5などがNASH患者血清のおいて上昇していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
iTRAQラベル法を用いて血清のpool sampleよりSerotransferrinをはじめ、NASH血清において上昇する数種類のペプチドを検出した。
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今後の研究の推進方策 |
今回検出されたペプチドはNASH特異的な有用なバイオマーカーとなる可能性がある。そのためには、今後 ① pathogenesisとの関連の検討。 ② 個々の症例、及び多検体での定量評価によるvalidation。 が必要である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究に関する機器、設備は現有している。 前年度に引き続き、アミノ酸分析のための酵素や試薬等に60万円の計上を認めていただきたい。 上記同定ペプチドの機能解析として、細胞への導入、シグマル解析のための培養試薬および一般試薬として60万円を計上したい。 成果の経過発表のための予算として30万円計上を申請させていただきたい。
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