透過性亢進を介して、細胞内のROSを上昇させた。肝細胞アポトーシスが持続しているマウス肝臓では肝再生の亢進や線維化進展とともに酸化ストレスの蓄積も認めた。さらに長期飼育によって高頻度でC>A/G>T変異の多い肝腫瘍が発生した。抗酸化剤投与による酸化ストレスの軽減は、持続的肝細胞アポトーシスや肝再生の亢進、肝線維化進展を改善させなかったが、発癌率を有意に低下させた。以上より、肝細胞アポトーシス刺激はROSを発生させ、酸化ストレスの蓄積を介した肝発癌を誘導することが示唆された。酸化ストレス抑制が、肝細胞アポトーシス持続肝からの発癌抑制治療となると期待された。
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