研究課題/領域番号 |
24590984
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
永濱 裕康 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (60381000)
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研究分担者 |
佐々木 裕 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (70235282)
田中 基彦 熊本大学, 生命科学研究部, 准教授 (20346985)
直江 秀昭 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (30599246)
渡邊 丈久 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (20634843)
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キーワード | 肝再生 / トランスクリプトーム / 細胞周期 |
研究概要 |
肝癌細胞株ならびにコラゲナーゼ処理により得られたマウス初代培養細胞をもちい、E2の投与を行い、その増殖速度の変化と発現分子の変化をp27Kip1のKOマウスより調整した培養肝細胞と比較検討することにより、最も細胞増殖に影響を与えた促進分子ならびに抑制分子を特定し、それらの分子の発現を効率的に調整する方法を樹立する目的で研究を行った。 しかし前実験として行ったE2投与群とコントロール群での培養細胞の増殖速度に優位な差を得ることができずにp27Kip1のKOマウスより調整した培養肝細胞と比較検討することまで到達できなかった。現在はこれらの原因についてE2投与のタイミング、投与濃度の再検討を行い調整中である。 次に以前我々はマウス胎生期の肝において胎生13.5-17.5日に最もp27Kip1が発現していることを以前報告しているが(Anat Embryol 2001)、その結果を基に胎生13.5日以降の胎児肝細胞から抽出したサンプル、およびCC14を用いた肝障害前後のモデルマウスの肝組織より抽出したサンプルを用いてcDNA arrayにてトランスクリプトーム解析を行い、細胞周期関連分子発現の違いの有無を比較検討することより肝再生につながる責任分子の同定を試みた。現在これについては多数の遺伝子発現パターンが異なっていることを確認し、候補遺伝子の絞り込みを行っている状況である。これらから責任分子を絞り込むことが可能であれば肝再生への道筋をつける一歩となると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予想していた初代培養細胞における実験で、予想に反してE2投与による細胞増殖促進効果が明確には得られなかった。そのために、まず肝癌細胞株を用いてE2刺激の有無での比較検討を行っている。この系で細胞増殖に影響を与える分子を同定し、初代培養細胞の系でも実現可能な実験系に還元する。
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今後の研究の推進方策 |
・今後の推進方策 E2投与による細胞増殖促進効果が初代培養細胞においては明確には得られなかったため、再度実験系を検討し、その結果により本研究の方向性の見直しを行う可能性もある。 ・次年度の研究費の使用計画 G0期で停止させた培養細胞において、miR221,222のsiRNAでp21Kip1の発現を上昇させる、あるいはE2投与やp21Kip1に対するsiRNAを用いてp27Kip1を低下させることにより、その発現制御による肝再生促進を目指した臨床応用への可能性を探る。この系が上手くいかない際には予定していたp27Kip1 KOマウスより調整した初代培養肝細胞、もしくは培養肝由来細胞株に対してCRISPR/Cas9 を用いてgenome改変を試みる。その結果よりp21Kip1の発現制御を介して肝細胞増殖をより効率的に行うことが確認できれば、肝再生により関与する候補責任分子についての更なる絞り込みを行う。さらにヒトへの応用を視野に入れ、これら関連分子の発現制御により同様の効果が得られるかをマウスモデルについて検討する。
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