進行した肝細胞癌に対する理想的な治療薬としての抗体医薬の開発を目指して研究を進めた。われわれは、これまで肝癌細胞に対して、作成した抗FGFR-1モノクローナル抗体を投与し、in vitroおよびin vivoにおいて、著明な抗癌効果を明らかにしてきた。さらに、より強力な抗癌効果を発揮するように、この抗体に分子改変を加え、三重特異性ヒト型抗体を作製した。作成した三重特異性ヒト型抗体を用い、in vitroおよびin vivoのADCC活性を検討した。現在までのところ、期待されたADCC活性を得ることはできなかった。現在、さらに分子改変を行い、カイコ抗体作成に向けて研究を進めている。
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