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2012 年度 実施状況報告書

自己免疫性肝炎における新規PEPCK抗体の有用性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24590987
研究種目

基盤研究(C)

研究機関福島県立医科大学

研究代表者

大平 弘正  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90274951)

研究分担者 阿部 和道  福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30468128)
渡辺 浩志  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40336467)
高橋 敦史  福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40404868)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード自己免疫性肝炎 / PEPCK抗体 / ミトコンドリア
研究概要

本研究は、自己免疫性肝炎(AIH)における自己抗体に関する研究において、新たに発見した抗phosphoenolpyruvate carboxykinase(PEPCK/PCK)抗体の疾患特異性とAIH病態との関連について解析することを目的とする。PEPCKは細胞質(PEPCK1/PCK1)およびミトコンドリア内(PEPCK2/PCK2)に存在する肝糖新生の律速酵素の一つであり、オキザロ酢酸からホスホエノールピルビン酸の変換に関与する。本抗体は申請者らが正常ヒト肝細胞の非核成分にAIH患者血清と特異的反応する抗原蛋白として新規に同定した。平成24年度は、①抗PEPCK抗体の測定系の確立、②AIH診断マーカーとしての有用性と臨床病態との関連性につて検討を行った。まず抗PEPCK抗体の検出においてリコンビナント蛋白、植物由来抗原蛋白(Sigma)を用いてWestern blot法、ELISA法による測定を行い、リコンビナント蛋白による安定した測定系を確立した。ELISA法にてAIH患者血清中の抗PEPCK抗体の検出を行い、対照のウイルス性慢性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、健常人との比較を行った。AIH患者では46例中15例(陽性頻度32.6%)、他疾患では陽性頻度93例中5例(5.4%)であり、特異度は94.6%と高いものであった。臨床病態と抗PEPCK抗体との関連については、抗体陽性例と陰性例との間における肝機能検査値、AIHスコア、免疫学的パラメーター(IgG値、抗核抗体価)、肝組織所見(線維化進行度、活動性の程度)、重症度(戸田、2004)、再燃率、予後等の臨床像に差を認めなかった。治療開始後の経時的な観察例の血清についての抗体価の変化については、次年度の検討とする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度の計画である抗体測定系の確立と診断マーカーとしての有用性と臨床病態との関連性に関する検討は順調に成果が得られた。

今後の研究の推進方策

平成24年度に引き続き、抗PEPCK抗体の診断マーカーとしての有用性と臨床病態との関連性に関する検討を多施設の症例も加えて継続する。
平成25年度は肝臓内における局在について免疫染色にて確認する。抗PEPCK抗体はPCK1・PCK2抗体(Abnova社/Novus Biologicals社)の使用を予定している。また、抗原蛋白を用いたAIHモデルマウスの作成として、PEPCK蛋白とCpG DNAを用いてAIHモデルマウスの作成を行う。既報(Abe K, Ohira H, et al. Fukushima J Med Sci 2007)に準じて8週齢のB57BK/6NCrjマウスに50μgのCpGDNA(5’-TCC ATG ACG TTC CTG ATG CT-3’)をアジュバンドとして、抗原蛋白50μgと共に3回尾根部へ皮下投与する。実験動物は、本学の実験動物取り扱い倫理指針を遵守し実験に使用する。

次年度の研究費の使用計画

免疫染色用の一次、二次抗体、モデルマウス、CpGDNA、モノクロナールPEPCK蛋白が主な消耗品として使用予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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